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主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

紅蓮伝~失われた秘宝と永遠の愛~ 少年游之一寸相思 Love in Between ★4

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张耀(チャン・ヤオ)さんと、张雅钦(チャン・ヤーチン)さん、主演の武侠ドラマです。全43話。

 

张耀(チャン・ヤオ)さん、「全世界最好的你」に主演されてました。甘いマスクの可愛らしい男優さんです。今回古装扮装でカツラを着けてらっしゃいますが、これがビックリ、とてもカッコ良かった。優しいちょっとたれ目がキッとした印象に変わり、ナイスでした。

 

张雅钦(チャン・ヤーチン)さん、「扶摇」で高伟光 (ガオ・ウェイグァン)さん演じる、战北野を一途に愛する、邛叶公主を演じられてました。この時はそんなに思わなかったのですが、このドラマでは、菅野美穂さんにそっくりに見えました。

 

 

このドラマの始まりは

 

山水渡(情報機関)宗主文思渊に、靖安侯府から盗まれた「山河图」という巻物を取り戻してくれと、四人の若者が集められる。

一人は医者の 左卿辞 と弟子の 白陌(←おまけ)。一人は盗賊(男に扮装しているが  苏云落 という女の子)。あと二人は武林正派、正阳宫の剣士 沈曼青 と弟弟子の 殷长歌。

 

四人はそれぞれの成功報酬のために、雪山を越え赤炎沙という国に、「山河图」を取り戻しに行きます。あったばかりで相手を知らない(盗賊だと警戒もしているため)、沈曼青と殷长歌は、身体が弱く武道も出来ない左卿辞と一人勝手な行動をとる苏云落を信じられません。

そんなバラバラな四人が困難な雪山を越え、三魔と呼ばれる江湖で有名な殺し屋(大男の肩に小男が乗って登場と私の心を鷲掴み。戸愚呂兄弟⦅ご存じない方申し訳ない⦆を実写で見るような喜び、最高でした)を相手に奮闘しながら、赤炎沙で「山河图」を取り戻します。

 

実は左卿辞は靖安侯の捨てられた長子で、「山河图」を盗まれ窮地に落とされた靖安侯を助けるために文思渊にこの依頼をした本人だったのです。

この旅で左卿辞は苏云落が、子供の頃自分に生きる力をくれた初恋の相手だという事に気づきます。

苏云落は、毒を飲まされ自我を失ったを師父を助けるために解毒薬の材料を10年かけて集めているのですが、左卿辞は一緒にいたいために手伝うことにします(勝手に)。

苏云落と左卿辞の薬材探しに、一世代上の親や師父たちの武林の因縁が絡み合い、沈曼青と殷长歌、赤炎沙で知り合った 朱厌 、谢姜儿がその因縁に翻弄されながら恋をし、友情を深め合っていきます・・・

 

 

このドラマの私の一番は

 

自己を犠牲にして、献身的に愛する(尊敬する)人にとことん尽くす主人公二人の姿です。

 

左卿辞は苏云落に(父と皇帝に少し)、苏云落は師父  苏璇に(ラストはやっと左卿辞に)。

 

左卿辞は苏云落が初恋の相手と分ってからは一途に苏云落を追いかけます。でも、苏云落の師父への想いに嫉妬し、やるせなさを感じます(自分は父や妹のために苏云落を使ったりするのは棚上げです・・・←これが江湖)。

とにかく苏云落の心を自分に向けるために、薬を餌に結婚を承諾させたりとなりふり構いません。でも、その世界に一つしかない貴重な薬材を苏云落の命を助けるために使う羽目になってしまいます。バレたら絶対に自分を許してくれないだろうと思う左卿辞は黙ったまま結婚してしまおうとしますが、(ドラマですから)バレて二人は決定的な別れを迎えます。

 

この別れた後の左卿辞の献身的な愛の姿が哀しく美しい。

師父苏璇を助けるために自分の血(特別な毒に犯されている)が効くと分ると、自分の命と引き換えに実行します。残り半年の命となった左卿辞はその命を、父の復讐と国の安定のために使います。もちろん、死ぬと分ってからはとことん苏云落を突き放します。

苏云落は捨てられた自分を育てくれた師父はもう絶対的な存在なのです。10年かけ秘境にある薬材を一つづつ集め、薬をつくることが自分の生きる意味なのです。薬材を全て集めなければいけないから命も大事にしていた(←これが江湖)。なので、左卿辞に惹かれていきますが、それは比べるものではないのです。

身体弱いですが、左卿辞は頭が切れ策略家で、自分の命を使った復讐計画をキッチリ描いて行動するんですが、その過程で苏璇を駒として扱います。その思いなどもちろん知らず、苏璇のために地に這い懇願する苏云落とそれを無視する左卿辞のシーンがとても切なかったです。

二人のラブラインでは、師父苏璇が助かりやっと重荷から放たれ、苏云落が左卿辞に自分の愛を全身で伝えようというシーンがあるのですが、ここは左卿辞、後悔するなら受け入れちゃダメだよ~、と思っちゃいましたよ。左卿辞の気持ちもわかりますが・・・

 朝、起きて苏云落が、あれ?服着てる?というシーンに一瞬私も「あれ?なかったの?」と思いましたが、いたしましたよね左卿辞さん、ちゃんとしたのに誤魔化しました?とね。

 

上の世代の因縁が色々絡み合いすぎて、複雑で分かりずらかった(図解しながら視聴しました)。江湖の武林は正派と邪派という対立図が(基本的に)あり、ただそこに所属しているだけで、悪魔扱いをされてしまう。そんな上世代の対立と一線を引き、友情を育み義兄弟の誓いをたてる、殷长歌と朱厌。愛を育む、谢姜儿。この殷长歌の生き方も心を打ちます。(一番応援していたカップルが一番悲しい結末になってしまう・・・)

 

でも、登場人物一献身的、盲目な愛を貫いたのは実は左卿辞の弟子 白陌 なのでは?と思いました(笑)。

指輪物語」サムには劣りますが、献身的な愛はどうしてこんなに心に響くのでしょうか?

 

とにかく弟子たちの献身的な姿に胸打たれる武林ドラマでした。

 

 

                    (画像:出典 百度百科)