『通天塔 Babel』 ★4
秦俊杰(チン・ジュンジエ)さん、邓家佳(ドン・ジアジア)さん 主演のサスペンスドラマです。全30話。
秦俊杰(チン・ジュンジエ)さん、「麗王別姫~花散る永遠の愛~ / 大唐荣耀」「聴雪楼~愛と復讐の剣客~ / 听雪楼」を視聴しました。未視聴(正確にはリタイア)には「泡沫の夏~トライアングル・ラブ~」「龍珠伝 ラストプリンセス」など日本上陸している作品もございます。随分ご無沙汰な感じがしていますが、今年は色々放送されるのかな?良い感じに年を重ねられていてステキになったなと。
邓家佳(ドン・ジアジア)さん、「バーニング・アイス -無証之罪- / 无证之罪」を視聴しました。「无证之罪」の役もそうだったんですが、美人で儚く見えるのに実は生きる力、心の芯が強い女性が似合いますね。39才には見えない。
このドラマの簡単なあらすじは
(サスペンスですので、真っ新でご覧になりたい方はこの先ご注意下さい。)
バレリーナの 崔善 は人に紹介され、あるバーへ行きます。そこでバーのオーナーである 余生 のピアノ演奏を聞き、その音色に昔の友人を思い出すのです。演奏が終わった 余生は「あなたの舞台を見た事がある」と 崔善に話しかけます。崔善もいい演奏だったと会話をするのですが、バーからの帰り道、崔善は橋の欄干に上がって手を広げるのです。
それから、三か月後
海港市で川から一体の女性の死体が上がります。
海港警察の班長 陆萧 がその事件を担当することになります。陆萧はその鋭い観察眼で現場を捜査して遺体の遺留品を見つけ身元を突き止めます。その女性 房一彤 はポルノ紛いの配信をしたことで逮捕歴のある女性で、陆萧たちはその助手に話を聞くことにします。
今はちゃんとした配信しかやってないという助手ですが、スタジオの水槽に 房一彤 にそっくりな等身大の人形が入れられていたことを話します。警察に相談に行くのを 房一彤が止め二人でその人形を山に埋めたと。その場所に行きその人形を掘り起こした 陆萧たちは、その人形が 房一彤と瓜二つで、身体につけられた傷も一致すると法医 姜一然 から報告を受けます。手の込んだ犯行から、房一彤と親しくしている人間が犯行に絡んでいると捜査をして行きますが、房一彤を最後に乗せたタクシーが川から発見され運転手は殺されていました。
このタクシーの足取りから犯人を捜していくのですが、犯人は用意周到で非常に用心深く、監視カメラなどの位置を知り尽くしていてまったく手がかりがつかめません。
そんな中、二体目の人間大の人形が見つかり、その人形が有名な実業家 程丽君 だと分かります。
殺人予告かも知れないからと捜査協力を頼む 陆萧たちですが、 程丽君は忙しいからと、警察に非協力的な態度を取るのです。
そして、程丽君に協力を頼む過程で 姜一然が 程丽君を庇い犯人に殺されてしまうのです。
姜一然と 陆萧は十年付き合っていて結婚が秒読みだった仲で、恋人を失った 陆萧は哀しみを殺しながらも犯人を追っていきます・・・
その事件と同時に 崔善は誰かに誘拐され、奇妙な地下室のような場所に閉じ込められ監禁されてしまいます。
やがて人形浮遊死体事件と、崔善の誘拐事件が繋がっていき・・・と始まって行きます。
このドラマの私の一番は
しっかりと組み立てられていたドラマ展開です。
サスペンス・ミステリー好きの私としましては、華流ドラマのサスペンスは作りが甘い(おおらか)作品がちょっと多めと感じているのですが(もちろん、重厚なサスペンス作品もあります)、この作品は伏線や細部の設定までちゃんと筋が通っていました。
殺人は何件か起こるのですが、事件は一つ。一つの事件をずっと追う形の刑事ドラマになっていまして。かなり動機部分(犯人の生い立ち)が詳しく語られて行くストーリー展開でした。
冒頭からグレーな登場人物さんがいまして、「犯人ですよね?」と思っていたのに「えっ、やっぱり違うの?」と胸がザワザワしながらの視聴となります。
私は8割方、この人 刺猬でしょう!と見てましたが、でもそうなると、この時はアリバイがあるんだよね、とか。ここが怪しくて絶対犯人だ、と思っていたところが後からアレ?違うんだと思わされたり、ちょっとドキドキしました。
もちろん大雑把に思える所も多々ありますので、刺猬の正体については疑いの余地はなかったのですが、どうして、犯人がこの行動をとっていたのか?というのが、ちゃんと伏線を回収して筋道が通っていたなと。
序盤の 陆萧カップルの甘い様子から、姜一然の死亡フラグが濃厚過ぎてちょっと視聴意欲が下がってしまったんです。(私はサスペンスは好きだけど、主役の恋人、奥さん、が殺される話は苦手)そして、案の定序盤で死んでしまいますし、ここで死ぬのが 姜一然である必要があまりないなと思えてしまうのも悲しかった(顔を目撃されたことで殺されてしまうのですが、展開上必要な親しき者の死なら警察チームの誰でも良かったよね、恋人である必要なかったじゃん・・・ただただ、姜一然が可哀想で。ちゃんとした理由があるならいいんですけど、巻き込まれた形での恋人の死という形が・・・)。
犯人 刺猬の生い立ちがかなり詳しく語られるので、刺猬の気持ちが、崔善に執着する気持ちが良く分かり、分かり過ぎて狂気のようなものは伝わりづらくなってしまったかなと。
モダンダンスのような、崔善さんの舞台がカッコ良かったです。背中の筋肉(何ていうか知らないのですけど、肩甲骨周りの)を見せて踊るシーンが好きでした。筋肉が動く姿が筋肉が踊っているようだった(←意味分かります?)。
犯人側の思考が主のサスペンスだとやはり「白夜行」を思い浮かべてしまう・・・。
幼児体験(成長過程)の過酷さが歪んだ人間性を作り出してしまう悲しさ・・・そんな作品でした。
余談ですが、本編に「迈巴赫」という高級車が登場するんです。独特なエンブレムの車で、別ドラマ(華流ドラマで)でもこの車を何度か見ていて、知らない高級車に前から「どこの車だろう?」と気になってまして。調べてみたら、メルセデス・マイバッハというお車でした。日本ではメルセデスといえばベンツ、高級車の代名詞ですが、こちらのマイバッハという車はあまり聞かないな~と、メルセデスということにちょっとビックリしました(という報告です、ハイ)。
(画像出典 百度百科)