ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

孤独的野兽 The Silence of the Monster

 

『孤独的野兽 The Silence of the Monster』★4

 

毕雯珺(ビー・ウェンジュン)さん、朱正廷さん、孙伊涵さん、张柏嘉(チャン・ボージア)さん、出演のサスペンスドラマです。全36話。

 

毕雯珺(ビー・ウェンジュン)さん、「お嬢さま飄々拳~プリンセスと御曹司~ / 淑女飘飘拳」「トキメキ☆雲上学堂スキャンダル~漂亮書生~ / 漂亮书生」「霓裳(げいしょう)~七色に輝く虹の如く~ / 小女霓裳」「世界微尘里」「墨白」を視聴しました。

朱正廷さん、初めてお目にかかります。毕雯珺さんと同じ「乐华七子NEXT」のメンバーさんですね。2022年から本格的にドラマに参戦してきた感じかな?と。

孙伊涵さん、「流星花园2018」「双镜」を視聴しました。「玉楼春」にも出演されているようですが、覚えておりません(スイマセン…)。「双镜」のスナイパーのカッコよさが忘れられない。

张柏嘉(チャン・ボージア)さん、「结爱·千岁大人的初恋」「成化十四年」「师爷请自重」「摩天大楼」「世界微尘里」「猎罪图鉴」「爱的二八定律」を視聴しました。主演作品ではないので紹介してないのですが、もう私の中では常連女優さん。出演シーンが少ない作品もあるのですが、迫力ある美しいお顔、どんな役も記憶に残ってます。

(この作品、私の中では 毕雯珺さんと 朱正廷さんの物語でしたので、いつもと違い主要メンバーの4人の紹介を書きました。)

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

鍵師の 何初逢 と鑑定士の 洛宾 は洛宾の祖母の持つアンティークショップでシェアハウス(仕事も)しながら一緒に暮らしています。

ある時、何初逢が鍵を交換したアイドルのマンションに侵入者があり、そのアイドルから「絶対に開けられない鍵だと言うから頼んだのに」とクレームをつけられるのです。自分の鍵に絶対の自信がある 何初逢は 洛宾とそのマンションへ行き侵入者の痕跡を探すのです。その過程で、アイドルのファンでもある弁護士見習いの 隋意 と知り合います。アイドルのストーカーの一件を三人で解決すると、実は 隋意のアパートも何者かによって盗撮され 隋意の生活がライブ配信されていた事実を知るのです。

行き場の無くなった 隋意を助けるために、 何初逢は自分たちの住まい「野兽中古店」の一間を紹介するのです。

こうして、無口で物静かな鍵師 何初逢と、明るくおしゃべりな鑑定士(でも凄腕) 洛宾、真面目で純粋な弁護士見習い 隋意という三人の生活が始まっていきます。

(洛宾は、母を喜ばすためにお見合いばかりしているのですが、一目惚れを信じていて、後に記憶を失い突然店にやってくる 小安こと方其に本当に一目惚れします。記憶がないので 小安も一緒に暮らすことに…)

こうして始まる三人の生活と、 何初逢の鍵師の師匠でもある 顾南 との過去が絡んだ事件、何初逢と 洛宾の過去の因縁・・・と物語は絡み合っていきます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

ドラマ冒頭に流れるアリストテレスの名言「离群而索居者 不是野兽 便是神明」に通じる後半です。

 

この名言、もうちょっと長いもので

『高潔なる人物は恩恵を施すことを好むが、恩恵を施されることを恥じる。人々に恩恵を施す者は、他人より愛されるよりも多く、自分を愛する。孤独を愛する者は野獣、もしくは神である。』

という文章です。私は十代の頃哲学やら文学にあこがれる娘でした。でも、憧れましたが向いていなかった。物事を真面目に考えるのは好きなのですが、どうしても根っこがお気楽なため悩み切れない私の根性が邪魔して、深く深くは沈めないんですよね、すぐ「まっいっか」ってなってしまう。

でも、好きだったので「名言集」とか軽めに読める読み物を読みました。ダメな私はこうして軽く「知」に触れることで満足したもんです(今も)。だから名言見ると調べちゃう。

「高潔な人は人に恩恵(愛)を与えるが、与えられる事は良しとしない。他者を愛しているようで自分を愛している。ただ与えるだけの行為は獣か、神か」一方的に与えるだけの行為は獣と変わらないようだけど、愛を与える事は神=真理に通じる。どんなカタチの愛も愛なのだと。(もちろん、解釈によって違うと思います…私の理解だと思ってください)

物語後半で 何初逢の過去がわかってくるのですが、

何初逢は自分が苦しみながら生きているとき、鍵師として生きる術と、道を示し、救ってくれた師匠の行動を見過ごすことが出来ず、師匠 顾南を警察に通報します。そしてずっとその罪悪感を抱えて生きているのです。服役を終えた 顾南 は一見恨みなど持っていないように思えるのですが、実は深く深く 何初逢を恨んでいて・・・。

高校の同級生ではあったけど何年もあったこともなかった 洛宾と 何初逢。道端佇んでいる 何初逢を見たとき 洛宾は思わず声をかけて。そこから一緒に暮らし、閉じ切っていた 何初逢の心に 洛宾は持ち前の明るさで少しずつ近づき、二人は親友になっていったのですが、洛宾には 何初逢に言えない大きな秘密がある。

この秘密が分かった時に二人の仲は一旦終わってしまうのですが・・・(この時には 何初逢と  隋意は恋人になってます。この時の 隋意の対応がステキでした)。

この秘密がバレたら  何初逢が自分を許してくれないと分かっていた 洛宾は自ら 何初逢の前から姿を消してしまいます。

でも、何初逢もずっと 洛宾の事を気にしていて、洛宾の危機に駆けつけますし、洛宾も 何初逢の危機に自分の出来ることすべてをするのです。

何初逢の人生が、自分ではどうにもできない苦しいことの連続で、何初逢はまったく悪くないのに、本当に苦しいことの連続で・・・。洛宾と出会い、隋意と出会い恋をして、やっと、やっと・・・普通の幸せを掴んだ時に・・・。

洛宾が 何初逢のためにやったすべての行為が苦しく悲しい結果にはなってしまいますが、そのすべてが友情(愛)のカタチなんだと。

何初逢がこの結果で自分を責め、自分の望んだささやかなものすべてを諦めず(洛宾のおばーちゃんの導きがすごい、おばーちゃん神ね)、隋意を待ち、洛宾を待ち、やっぱり 洛宾を待っていた小安と四人でまた「野兽中古店」で暮らす・・・ラスト(上記ポスター)の写真の姿に涙しました・・・。

愛と希望と再生と・・・素敵なドラマでした。

 

全ての鍵を開けられる、鍵師。鍵師という仕事は闇に落ちやすい。このドラマを見て、渡辺謙さんの演じられた「鍵師」というドラマを思い出しました(もう一度見たくなりました~)。

 

 

                   (画像出典 百度百科)