『R.I.P. 霊異街11号 靈異街11號 The Fearless』 ★4
李国毅 (レゴ・リー)さん、简嫚书 (ジエン・マンシュー)さん、主演のオカルトサスペンスです。全13話。
李国毅 (レゴ・リー)さん、「オレ様ロマンス~The 7th Love~」を視聴しました。
简嫚书 (ジエン・マンシュー)さん、は初めてお会いしました。「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど」という日本台湾合作映画に主演されてます。
日本公開されているのであらすじを含めた感想を書かせて頂きます。(詳しいあらすじは公式ページをチェックしてみて下さい)
このドラマの私の一番は
最終話での父とのお別れ、です。
葬儀屋である父と喧嘩してギャングとして生活をしている 阿海 は、ギャングの権力争いで頭を撃たれ死亡宣告を受けるのですが、霊安室で目覚めるのです。そしてその後、霊が視えるようになります。
怪我があるからと仕事を少し休んでいる時に父親の訃報が届きます。
喧嘩別れのまま一度も連絡を取ってなかった 阿海は後悔と罪悪感に襲われます。何もわからないままに父の葬儀を終えた時、警察から遺体の引き取りを頼まれるのです。子供の頃からお世話になっていた 鍾刑事の頼みを断れず現場に行き 阿海はそこで新任の法医 盛音に出会います。
こうして霊が視えるようになり、不審死体の霊に付きまとわれ事件解決に関わっていく 阿海。ただ霊たちは皆肝心な犯人に関することは覚えていないので、(みんな口をそろえて「不知道」って言うんです。「またかよ」ってなる 阿海が可愛い)盛音の力を借りて事件を解決へと導きます。
霊が視えるようになってから、阿海の心にあるのは父の事。なんで出てきてくれないんだ、俺に対して心残りはないのか?本当に成仏しちゃったのかよ。
見かけには父のことなど気にかけてないぜ、と平気を装いながら心を痛めているんです。
事件を通して大人になっていく 阿海はギャングから足を洗い葬儀屋を継ぐことにする。初めての事件の芸能人を夢見て田舎から出て来た女の子の霊が、母親と静かにお別れするシーンがジンときました。
複雑な家庭環境に育ち、人との付き合い方に難のある 盛音と仲良くなっていくのも良い。人付き合いは苦手だけど優しく、面倒見もいい 盛音、物言いも率直なんですが、阿海はその言葉にまったくひるまないんで、二人のやり取りは小気味いい。
苦しみながらもギャング仲間から足を洗い、葬儀屋も唯一の従業員 朵朵と(幽霊に会いたいから葬儀屋に就職したと言うかなり癖強な女の子。キャラが立っていてとても好きです)何とかやって行けるようになった一年後。
お父さんの霊が 阿海の前に現れるんですね。
口笛が聞こえ振り向いた瞬間に 阿海から零れる涙。
憎まれ口をきく阿海。近況を聞く父。取り留めのない会話をしたあと、逝こうとする父に阿海が聞きます。
「俺を愛していたか?」と。
戻りかけていた父が振り返り、「もちろん愛しているさ」と頭を撫でるのです。
このシーンに不意を突かれて、ブワっと涙が溢れてしまって(阿海がこんな風に素直に感情を表現するとは思わなくて。本当に不意を突かれました)。
本来なら絶対に叶わない願い。今生の別れに言葉を交わせるって本当に奇跡のようなこと。急な別れでなくとも、長い病気の末だったとしても、最期にちゃんとお別れが出来るって・・・少ないと思うんです。
阿海のようにちゃんと心残りを聞ける、自分の心の棘を癒せるって、うらやましいし、素敵なことだと。
父と本当の別れを告げた 阿海が、この後人間関係に疎い 盛音を遠回しに口説く食事のシーンもとても良かった。
二人がゆっくりと幸せになる未来を垣間見ているようでポっと温かい気持ちになるラストシーンでした。(続編があったらすごく嬉しいのに、とつい続きを期待しちゃいましたね)