ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

庭外  Out of Court

 

『庭外  Out of Court』 ★3

 

罗晋(ルオ・ジン)さん、夏雨さん 主演のサスペンスドラマです。全20話。

 

罗晋(ルオ・ジン)さん、「王女未央-BIOU- / 锦绣未央」「帰去来 / 归去来」を視聴しました。両方とも奥さま唐嫣さんとの共演作でした。なので、お久しぶりでしたね。

夏雨さん、初めてお目にかかりました。出演作品を見るとドラマも映画もとてもたくたん出演されています。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

(サスペンスなので、ネタバレが気になる方は回避して下さい)

 

 

 

 

 

 

「盲区」「落水者」と二部構成になっています。

前半の「盲区」は

最高法院法官(最高裁判事)の 鲁南 はある殺人事件の死刑判決の見直しのために、南津警察 吴涵 に協力を頼まれます。

9年前に起こったバラバラ殺人事件の容疑者 田洋 の死刑判決なのですが、その事件は南津だけではなく江州で起こった事件にも絡んでいて、江州からは事件をずっと追っている 乔绍言 も来ています。

この事件で行方不明になっている 梦琪要 という女性がいるのですが、この女性が実は巨大な密輸組織の謎のリーダー 陈曼 ではないかと 吴涵は考えていて、それを 鲁南に漏らすのです。

9年前の殺人事件との解明と、密輸組織の壊滅のために 陈曼を捕まえる極秘作戦が交差しながら、鲁南がその抜群の判断力と行動力を持って、事件解決へ導く様が描かれています。

「落水者」は

「盲区」で 鲁南に協力を頼まれる有名弁護士 乔绍廷 は、津港の弁護士協会の会長 旷北平 に嵌められ、弁護士資格を停止させられてしまいます。乔绍廷 は知人の夫が闇金の違法な取り立てにあい、崖から落ちた事件に疑問を持っていてその事件を調べていたのですが、どうやらこの事件にはまだ分かっていない秘密があるようで・・・。

資格停止になり表立って動けない 乔绍廷のために 友人の 章政は(乔绍廷の勤める弁護士事務所の代表)若手で野心のある 萧臻 を雇い、乔绍廷と組ませることで、乔绍廷が事件を追っていけるように仕向けます。

乔绍廷と萧臻 は 旷北平に妨害を受けながらも徐々に事件の真相に迫って行き・・・と始まって行きます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

「盲区」の 鲁南 の実行力とスピーディーな展開、です。

 

とにかくこの 鲁南さんが実にすごい人でした。

何も分からない状況で南津にやってきて、しかも来る途中大きな交通事故に巻き込まれ、そこで救済活動までして、警察署に到着します。

そこで、初めて事件のあらましを、 吴涵 と 乔绍言から聞くのです。でも、二人の事件の真相への見解は実は違っていて、二人とも腹に一物があり本心を語ってはいません。

でも、そのことにもすぐに気づき、事件の疑問点にも気づきます。容疑者 田洋の弁護士である 冉森からも事件の話を聞き、独自に事件を追っていくのです。

これが、見事にハマって行くのが凄かったですね。

吴涵が隠していた 極秘作戦に勝手に絡んでしまったりしながらも、その場その場の状況に即対応する判断力の高さが素晴らしい。その極秘作戦に 乔绍廷を巻き込むのですが、この時の 乔绍廷の判断力も凄くて。

かなり複雑な状況がスピーディーに描かれていて、「盲区」は一気に見ました。

鲁南と 乔绍廷、二人の息の合ったバディ感がとても良かったです。

ただですね、続いて「落水者」を見ますと、乔绍廷と鲁南が知り合ったばかりの二人だということが分かるんですよ。一回会ってちょっと話しただけという関係。

「盲区」でのやり取りで腐れ縁的な友人関係だと勝手に想像していたので、「えっ」となりました。

知り合ったばかりで良く知りもしない(事件絡みで 鲁南は 乔绍廷の人なりは知っていたとしても)人物にあんな危険で高度な技術のいる潜入捜査を任せるなんて信じられんと思っちゃいましたよ。

「落水者」では「盲区」で実は凄い人なんだけど、ちょっとおちゃらけた人物だと思っていた(そういう人ではありますが) 乔绍廷が、弁護士という仕事に真摯に向き合う姿が描かれています。

依頼者の利益を守るのが弁護士、依頼者がグレーであっても法を駆使して依頼者の利益を守るというタイプに見えて、乔绍廷さんが実は真実をしっかり見極めたいという信念を持つ熱い心の持ち主だと分かってくるのです。

人に借りを作るのも嫌だというすごく真面目な人。

権力者に逆らってでも真実を掴むために躍起になる姿が良かったです。

ただ考えさせられてしまうのは、事件の内容ですね。

昔好きだった女性の旦那の事件なのですが、この旦那がギャンブル狂いの薬中というクズ男で、闇金に追われているのも全部自分のせい。闇金に崖の上で檻に入れられ脅されている時に誤ってそのまま落ちってしまったことで死んだ事になった事件。脅していた闇金業者が殺人犯に問われているわけです。

乔绍廷は死体が発見されないことから、その男が生きていると思って色々探って行くのです。

ラストに真犯人が「何であんな男にそんなにこだわったんだ?」というようなセリフがあるのですが、正しいことでは決してないけれども、ギャンブル依存、薬依存は簡単に解決できることではないので、真犯人の気持ちも分かってしまう・・・。

突き放す 乔绍廷がちょっと冷たく思えてしまいました(仕方がないのですが)。

あと、乔绍廷さんが離婚協議中で、まだお互いを思い合っている夫婦なんですが、どうなったのかな?(夏目漱石さんの「月が綺麗だね」引用があったり)「盲区」の 乔绍言さんと本当の姉弟だったのですが、仲直りできたかな?と事件以外で結果を知りたいな、という事柄も。

 

 

                     (画像出典 百度百科)