ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

灼灼风流  The Legend of Zhuohua

 

『灼灼风流  The Legend of Zhuohua』 ★4

 

冯绍峰(ウィリアム・フォン)さん、景甜(ジン・ティエン )さん、主演の時代劇です。全40話。

 

冯绍峰(ウィリアム・フォン)さん、「蘭陵王 / 兰陵王」「明蘭~才媛の春~ / 知否知否应是绿肥红瘦」「致命愿望」を視聴しました。もう本当に多くの作品に出演されてますけど、私の視聴は少ない…です。「あの星空、あの海。 〜人魚王の伝説〜」も「幻城」もリタイアしちゃったんですよね~。

景甜(ジン・ティエン )さん、「麗王別姫 〜花散る永遠の愛〜  / 大唐荣耀」「ハンシュク〜皇帝の女傅 / 班淑传奇」と時代物を二本視聴しました。お久ぶりでございましたが、変わらぬ美貌でございますね。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

江南の豪商の娘 慕灼华 は官史を目指して日々勉強に励んでいます。でも結婚が決まっていて、結婚してしまえば役人への道が閉ざされてしまうので、家出をするのです。

逃げたことを知った婚約者から追われてしまうのですが、知恵を使って追手をまく 慕灼华です。

侍女の 郭巨力(漢字のインパクト強いわ~、発音ジュリで可愛いのに。力持ちなんです巨力ちゃん)と都に落ち着いた 慕灼华は、生活費を稼ぐため母に教わった医療技術を使うことに。偶然妓楼の娼妓を助けたことから、その妓楼へ呼ばれることになります。

そこで偶然倒れていた男性を助けのですが、慕灼华は始めは客から逃げて来た男娼だと思っていたこの男性が実は 皇帝の弟南宸定王 刘衍だと気づきます。でも黙って治療だけして行くのです。

刘衍は数々の戦を収めた偉大な大将軍。偉大過ぎて朝廷からは常に警戒されている人物(ただ兄皇帝は微塵も脅威を感じてはいない)。でも、五年まえ自分の軍隊三万の兵が敵に待ち伏せされ全滅したせいで大分力を失い、毒を受けたせいで健康も失っている。そんな五年前の事件の真相をずっと追っているのですが、その妓楼にいた新たな手掛かりを持っていたはずの娼妓が殺され自分も毒に侵されてしまった所を 慕灼华に助けられたのでした。偶然にしては出来過ぎと 慕灼华のことを疑う 刘衍ですが 慕灼华の医療技術はかなりしっかりしたで、頭の切れる(切れすぎるので疑われる)、洞察力も優れた優秀な娘だと分かってきます。

こうして次第に仲良くなっていく 刘衍と 慕灼华です。

見事に科挙に三位で受かった 慕灼华は皇太子 刘琛と公主 柔嘉とも知り合い、親交を結ぶようになっていき・・・

身分も年も違う、王弟と役人となった二人がゆっくり静かに恋を育んでいく様子と 刘衍の心の傷「拒马河の敗北」の真相、皇帝争いとお話は進んで行きます・・・

 

 

このドラマの私の一番は

(ドラマ後半のキーパーソンにがっつり触れます。知りたくない方はこの先ご注意ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正体を現した 柔嘉公主の闇深さ、です。

 

(以外な展開でもありますので、行間とらせていただきましたが、このドラマ、最近はあまり見かけなくなったネタバレし放題のオープニングとエンディングでしたので、色々バレバレだったりはします)

 

前半には善行を民に施す天使として登場する 柔嘉公主。前半の反派 周太后 の終焉と共にめきめきとその正体を現してくるのですが、天使の時から一貫して物静かなその佇まいは変わらないのに、怖さが増してくるんです。

優し気なちょっと憂いのあるその顔に狂気が滲んでくるんです、これが怖い。

緻密なまでに計画された王位簒奪計画を着実に実行しているのですが、上手く事が運び過ぎてかえって自分が抑えられなくなっていき、タガが外れてくる。

太后に母親を殺された恨み、父皇に見捨てられた孤独、大切なものを守るためには権力が必要・・・と力を求めていくようになった。と、根本は恨みという感情で始まったという感じなのですが、サイコパス感がすごいんですね。感情の共鳴がないのに人の感情を操るのに長けている。

民の救済目的で各地に救済所を作り続けているんですが、そこを拠点に情報や人材を集め育成しているんです。天使のように慈愛を示し、カリスマ性で弱っている人の心に付け込み、ものすごく上手にマインドコントロールしていく。

魅了された人々は自分が駒として使われているなんて微塵も考えない、むしろ自ら駒となって動くことで満たされている。最近聞くようになった「グルーミング」子供をマインドコントロールする行為の一つといわれてますが、長い時間かけて足場固めをしてきてるんです、公主。良い君主こそが民を守れるという高尚な願いを共有している、と信じてきた公主一番の弟子 沈惊鸿がいき過ぎていくその行動に疑問抱くようになるんですね。

ここの二人のやり取りの際どさが凄く良かった。

公主が理想を追い求める気高き人ではなく、化け物になっていく(もともと化け物だったのかも?)と疑問を持ちグラグラになってしまう 沈惊鸿。苦言を呈し距離を置いたりするんですが。そこへ、愛情を刺激し欲を煽って二人の絆の強さを再確認させようとする公主。でも、このたびたび襲ってくる色仕掛けを 沈惊鸿がギリギリ持ちこたえるんですよ。すごい精神力。公主がそれだけ犯しがたい存在だという証明でもあるんだけど、この大人の駆け引きが凄くて、今度こそ落ちちゃうのかしら 沈惊鸿?とハラハラドキドキと見守っていました。沈惊鸿は落ちたほうが幸せだったかも・・・と。

王座が見えてからは嫌な相手とも平気で手を結び、邪魔な者たちを排除していく。最終的にはいらなくなったものを自らの手で始末するようにもなる・・・ずっと賢く自分の手を汚さずやってきたのに、暴走していくんですね。

ラストの王宮に攻め入り、負けたと知ってもなお王座に座る姿が狂気の果てだとしてもとても美しかった(中の方 王丽坤さんの演技がとにかくすごかったです)。

 

刘衍と 慕灼华の恋も素敵でした。

女でも役人になれる、でも結婚したら役人は続けられない。慕灼华が素晴らしい役人だと認めるが故に 王爷はその邪魔にはなりたくない。それでもどうしようもなく惹かれていく。慕灼华も自分気持ちに気づき止められなくなる。

そんな二人は、結婚しない関係を選ぶんですね。公に出来ない関係ではあるんですが二人はいつでもラブラブとしていて可愛かったです。二人の人しての真っすぐな素晴らしさが恋の様子から伝わってくる、そんな恋愛関係で。

毒のせいで体力のない(解毒してもあまり変わらない)王爷が醸し出す初老感がまた、なんとも言えませんで。確かにイケオジではあるんだけど、初老なんですよ、王爷。ハキハキとしたしっかり者 慕灼华に寄り添う姿もう可愛らしい。

百度の人物紹介で 慕灼华の父の年齢が35才と紹介されてて「えっ」と驚き、確か王爷も30才だとドラマ内で言っていたような・・・

二人の恋は、悟りを開いたような包容力抜群のおじさまが、希望を捨てない前向きな元気女性を見守る姿が素敵でした。

 

 

                  (画像出典 百度百科)