ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

云之羽 My Journey to You

 

『云之羽 My Journey to You』 ★4

 

虞书欣(ユー・シューシン)さん、张凌赫(ジャン・リンホー)さん、主演の武侠ドラマです。全24話(一話70分ぐらいの回もあり)

 

虞书欣(ユー・シューシン)さん、「若様!私がお守りします / 少主且慢行」「月光変奏曲~君とつくる恋愛小説~ / 月光变奏曲」「蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ / 苍兰诀」「兩個人的小森林」を視聴しました。ご活躍ですね。

张凌赫(ジャン・リンホー)さん、「少女大人」「蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ / 苍兰诀」を視聴しました。今年まだまだ景甜さんとか白鹿さんと共演した話題作が続きますね~。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

无锋刺客 云为衫 は上司 寒鸦肆 の命令で敵対する武門「宫门」に潜入することになります。无锋はその強さから江湖を荒らしまくっていて傘下に下ってしまう武門も多数あり、そんな中どことも歩みを共にすることなく无锋と張っているのが宫门で二つの流派は長年対立しているのです。

宫门は旧尘山谷という特殊な場所に居を構えていてその内部のことはまったくわからないのですが、花嫁を迎えるためにその中に入り込むことが出来ることが分かり、云为衫は花嫁候補の一人となり宫门内部に潜入することになります。そこで花嫁に選ばれ内部の様子を探ることが使命です。

无锋刺客として子供のころから過酷な修行を受けて来た 云为衫に 寒鸦肆はこの仕事が上手く行けば无锋から離れ自由が手に入るといいます。

云为衫はその言葉を信じ孤立無援の宫门内に花嫁候補として入り込むのでした。

ただ、20年に一度しかそのチャンスが訪れない絶好の機会なので、无锋は別の花嫁 上官浅 も送り込んでいて誰かが成功すれば良いというスタンスです。しかも成功率を上げるために花嫁に紛れて刺客が入り込んだという情報を先に流すのです(誰かが捕まれば他の刺客が怪しまれなくなると言う理由)。

それを知った宫门側は危険を回避するため花嫁候補全員を殺すことにするのです。

宫门には四大家族があり、羽宮、角宮、商宮、徴宮の四家でそれぞれ担っている事が違います。その四大家を执刃が統べ、その执刃を四大長老が支えている形を取っています。今度の花嫁選びは次期执刃の  宫唤羽の花嫁選びですがその弟 宫子羽 は花嫁候補全員を殺すことに反対して、何とか助けようとします。これは 宫子羽の策略で逃がす 宫子羽を追いかけて来た 徴宮の宫远徵と争うことで、刺客を炙り出そうとしたものでした。一人の刺客が捕まった事で 云为衫と 上官浅は宫门内に残れることになります。

ただ、宫门内では执刃と 宫唤羽が誰かに暗殺されるという事件が起き、その急な事態に跡取りの厳しい条件から、遊び人で宫门内ではあまり力のなかった 宫子羽が選ばれるのです。

20年に一度という機会から折角来た花嫁を返すのを勿体ないと思った宫门では適齢期の年齢の 宫子羽と角宮の 宫尚角 にそのまま花嫁を選ばせます。宫子羽の花嫁に選ばれた 云为衫と 宫尚角の花嫁に選ばれた 上官浅は宫门に残ることに・・・。

宫门内部を探る二人と、宫子羽に执刃の資格はないと怒りを露わにする 宫尚角、と宫门内では静かな闘争が繰り広げられていきます・・・

 

 

このドラマの私の一番は

 

暗く重い武侠劇を魅せるフレッシュな俳優陣です。

 

物語は潜入して探りを入れるという裏切りが前提の展開なのです。宫唤羽の妻となるために入り込んだ 云为衫は初めから 宫子羽に近づき、宫门内では実力がないため力がないが心の優しい 宫子羽にどんどん惹かれていきます。

宫子羽も 云为衫の憂いを帯びた表情に母を重ね、でもそれだけではない洞察力の優れた所や芯の強さに魅かれていきます。

云为衫は任務のためにしていることと割り切っているはずなのに、寒鸦肆の相手を好きになるな、という言葉を何度も思い出してしまう。人を好きになるという感情すらも分からなかったのに、宫子羽の見せる優しさに、自分を大切にしてくれるその気持ちにどんどん動かされていってしまう。

この裏切り前提の騙し合いなのに、魅かれていってしまう 云为衫の苦悩。

上官浅のほうも 宫尚角を騙すために尽くしているのに、ほんのわずか 宫尚角が見せる優しさに心が動かされてしまう。でも自分の目的のためその気持ちを押し殺し、自分の生きる道を着実にしようと行動する。

この目的を遂行するための恋の行方、そして宫门内闘争。父である执刃に厳しくされ認められない悔しさから反抗的な態度で宫门のことに目を向けていなかった 宫子羽が父と兄の死の真相を明らかにするために成長していく姿。

ダークな衣装、重厚で肌寒さを感じさせる場景、静かな音楽、ドラマ背景が見せる暗さとは裏腹に私は青春劇を見ているようで、悲しい話なのに悲劇ではなく最後は美しい結末を強く感じるようなドラマで。(そうならないことは分かっているのですが)

表面の暗さではなく内面の強さ、健気さ、暗さよりも美しさを強く感じさせてくれたのが20代の俳優さんたちの若さだと、思えて。もう一世代上の方が演じられていたら、もっとドロドロした艶美で重苦しいお話にもなったと思うんです。

でも、あえて若い俳優陣だけで挑んだ(脇までとにかく美しかった)とても美しい武侠劇だったと。映像も美しいし、スローモーションを駆使した武闘シーンもすごく美しい。

苦しいはずの恋の行方も美しいし、宫门内の争いは実は宫门四大家にはいい人しかいないし。ひどい規律と環境の中の无锋でも 云为衫が希望を捨てずにいられた背景に 寒鸦肆の思い(愛)があったりと。

武侠ものなので、ラストの抗争ではかなりの人(私の推したちが)が死んでしまうという予測をしながらドキドキの視聴。一番は全編を通して視聴者(私)に明るさとほっとを届けてくれていた 商宮 宫紫商。みんなの大小姐 宫紫商(二度呼ばせてください)。絶対に死なないでと念を送り続けました~、良かった~。

この宫紫商さん登場のシーン、部下たちの修練場に思い人  金繁(宫子羽の護衛)を探しに来て護衛たちの鍛えられた上半身を見て喜ぶシーン。これをたまたま見た娘が「まん丸の理想じゃん」と。こないだもパク・ソジュンさんの映画を見て私に「観なよ」と勧めるので、「何が面白かった?」と聞いたら「すごいシックスパックだったよ」と。「えっ?内容じゃないじゃん」と言い返しはしたが、娘に私の人間性をどう思われているのか心配になってしまう今日この頃。

話がそれてしまいましたが、暗い雰囲気を纏ってはいるが、素敵な若者たちの成長ストーリーを堪能しました。

ただ、ただ、ラストがね~。どう決着つけるのかな?と最終話を見ながら途中で嫌な予感したし、无锋のトップの(チョップで人を殺すのびっくりしたわ~)話も中途半端だったのもあったけど・・・。続編が作られることを願うばかりですね。

 

 

                    (画像出典 百度百科)