ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

愛と復讐の剣客 Snow Tower 聽雪樓 ★3

 

秦俊杰(チン・ジュンジエ)さん、袁冰妍(ユエン・ビンイエン)さん、主演の武侠ドラマです。全56話。


秦俊杰(チン・ジュンジエ)さん、「麗王別姫」は視聴しました「龍珠伝奇」はまだ未視聴、最近人気の若手さんですね。

袁冰妍(ユエン・ビンイエン)さん、「杨凌传」を途中まで視聴しました。さらりとしたお顔の女優さんですね。

 

このドラマ、ジャンル的には武侠(武林)物ですね。

私、オープニングの映像に惹かれて見出しましたが、武侠物の基本をすべて押さえた作品だったと思います。

 

『射鵰英雄伝』に代表される武侠物。金庸さんに代表される「武侠小説」が原作の物が多いいジャンルです。江湖という独自の世界で、武芸に長じた人たちが自分の信じる正義のために武を競い合う(正義を武で勝ち得る)という「武侠」の世界観があると思います。

私はカンフーが大好きなので、武侠ドラマは闘いのシーンが好きで見始めました。なのでストーリーや登場人物の心情に寄り添えず、「?」と思うことがあっても、楽しく見ることができますが、もしかしたらそこが原因で最後までご覧になれない方もいらっしゃるのでは?と思い、私なりの武侠ドラマの勝手な見方を書きたいと思います(あくまで私個人の見方です)

 

江湖の武人、剣客たちは基本自分本位で、思い込みが激しく、些細な誤解で何十年もいがみ合うのも厭いません。なので、日本の任侠物と似ているという説明文を読んだことがありますが、ちょっと違うかな?と個人的には思います。

確かに似ている所もあるのですが、武侠ドラマを見てると私にはどうしても「えっ」「なぜ?」と思う場面が出てきます。なぜ、「?」が浮かんでしまうのかと考えてみた所、日本の時代劇や任侠物のように、義兄弟の絆とか師弟関係、所属団体には重きを置いているのですが、ベースの部分が個人(自分)な所だと(日本だと個は殺しますよね)。そう、とても、自分の信じる正義のために忠実なのです。なので、個人的な復讐(愛情)や、欲望(禁術を習得したい)などが一番に優先されます。相当強い絆があっても、そこが原因で仲違いしたり裏切ること多々あり。そしてそれがこじれまくることもあるが、解決する時は呆気なかったりします。

ですので、「えっ?」と思った時には、「いや、いや」この人はそれが一番大事なんだな、と思って私は見ています。(でも、時に裏切られますが・・・)

もしくは、そういうもんだ(決まり)と思って気にせず見る、もお勧めです。

 

長い前置きになってしまいましたが、このドラマのストーリーは

 

拝月教という悪いことばかりしている、江湖の門派?(宗派?)を倒そうと聴雪楼の蕭逝水、と腕の立つ武人が協力して闘いを挑んだ因縁があります。

ヒロイン 舒靖容 はその因縁のため 血魔と恐れられた剣客の父と母を殺されてしまいます。父が殺され 舒靖容が襲われている所に聴雪楼の蕭逝水が助太刀に現れます。、父は、娘には「自分はたくさん人を殺してきたのでこうなる覚悟があった。お前は復讐などせず、自分の人生を大事にしろ」というようなことを言って死んで逝きます。

結局、拝月教の教主華蓮は逃げて行くのですが、この時「お前の妻は殺した」と言ってさります、妻が一番な蕭逝水は自我崩壊。

一人父の墓を見守る舒靖容 の所に、息子の 蕭憶情 がお悔やみ(お詫びとお礼)を言いに来ます。身体の弱い蕭憶情はそこで倒れてしまい、一緒に拝月教と戦っている白帝、雪谷という達人に助けられます。

これの出会いの後、舒靖容は白帝に弟子入りして、蕭憶情は雪谷に弟子入りしてそれぞれ成長します。

 

大人になった、蕭憶情はダメダメになった父がダメダメにした聴雪楼を立て直すため、尽力しています。その任務の過程で大人になった舒靖容に再会します。

舒靖容は父の遺言を聞き、白帝に弟子入りはしてますが、剣術の修行はそこそこで普通の女子として成長しています。が、蕭憶情と出会い運命が動き出して・・・

と話は進んで行きます。

 

私のこのドラマの一番は

 

前半の山場、白帝と拝月教の教主華蓮との闘いです。

武侠物はちゃんと師父が強いのがいいです。これが古装劇だと師父は強い設定で一発内功かますと、功力取り戻すために30年岩戸に籠っちゃたりしますからね。

とにかく師父がカッコいい。

師父の最期に泣き崩れる舒靖容と師兄の青羽。後から師父の死を聞かされる、人がいいばかりに敵のスパイを庇い続けていた大師兄の青嵐が自分のバカさ加減を知った悲しみの闘い、と見ごたえがありました。

後半ももう少し武闘のカッコいいシーンが欲しかった・・・

今回は、もう一つ一番を付け足します。

男性主人公の蕭憶情です。

生まれながらに寒病(いったいどんな病?)を患ってる蕭憶情。いろんな治療法をためしますが根治には至らず、ずっとコホコホしています。

このファー付きマントを羽織って、コホコホと登場する姿が実にいいです。殺しのタガーをぶん投げてはコホコホ、内力を使ってはブッホと血を吐きコホコホ、いつでも唇は真っ白でコホコホ、素敵でした。

後半はコホコホを見るためだけに見続けたといっても過言ではない、私でした。

 

 

ストーリーは、後半の展開も安定の定番さで、安定の崖落ちもあり、落ち着いて見れます(笑)。

大師兄は闇落ち、一枚岩に見えた舒靖容と青羽の関係も、復讐が一番の舒靖容と自由になりたかった青羽の一番の相違から、崩壊。この後もどんどん崩壊しつづけ、哀しい最期に・・・。あんなに素敵だった師父・・・弟子たちは何だか・・・と見ているこちらが悲しくなります。

拝月教も母華蓮を殺して乗っ取った娘の明河が大師兄青嵐の愛欲しさに暴走、蕭憶情も身内に嫉妬深い勘違い師妹を抱えて・・・となっていきます。

 

親世代の因縁が子世代に大きく根を引くお話。

私元凶は蕭憶情の母にありと思いました。このお母さんを助けるためにいったい何人死んだの?という感じ。そしてこの母は闘いを止めるために拝月教に戻ったのに、ただただ囚われてるだけ・・・旦那と子供を守りたかったんじゃ・・・なぜ?と思わないではいられない存在でした。