ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

月光変奏曲~君とつくる恋愛小説~ 月光变奏曲  Moonlight

f:id:tyotto-manmaru:20210627152406j:plain

 

『月光变奏曲  Moonlight』 ★4

 

虞书欣(ユー・シューシン)さんと、丁禹兮(ディン・ユーシー)さん、主演のお仕事&恋愛ドラマです。全36話。

 

虞书欣(ユー・シューシン)さん、「若様!私がお守りします / 少主且慢行」を視聴しました。「私の妖怪彼氏2」「働く女子流ワタシ探し」などにも出演されてます(未視聴です)。

丁禹兮(ディン・ユーシー)さん、「笑傲江湖」「韫色过浓」を視聴しました。「传闻中的陈芊芊」に主演されてました。私はリタイアしてしまったドラマですが「花の都に虎(とら)われて~」とすごい邦題で日本上陸してます。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

初礼 は憧れの出版社元月社に入社したくて上海にやってきます。面接に行きますが(飛び込み?)あっさり断られしまう初礼です。諦めきれない 初礼は去り際に自分のまとめたレポートを編集長の 于姚 に手渡していきます。

初礼がメル友の”消失的狐狸君”とチャットをしていると元月出版社から電話がかかってきて慌てて戻ることに。

出版社に戻った 初礼はチャンスを貰えたかと思っていたのですが、提出したレポートは母親(上海での就職に反対している)がすり替えたもので、于姚はそれを持って帰りなさいとハッキリ言います。

落ち込みながら出版社を去ろうとしていた時、出口で 于姚が大手出版社の 顾白芷と契約大物作家のことでもめていました。

そのやり取りを聞いていた 初礼は 顾白芷の言い分の間違いを指摘し、そのことで 于姚を救った事に。そして、インターンをさせてもらえることになります。

夢がかなった 初礼は大喜びです。

元月出版社の一員になった 初礼の初めての仕事は 昼川 という人気作家の次の本の契約をもらうことになります。

会ってくれない 昼川にあの手この手で会おうと試みる 初礼です。そして、やっと顔を合わすことになるのですが、昼川は上海に来た日に自分から夏目漱石の希少本を奪った相手で、その後も何度か遭遇した、顔はいいが中身は最悪と文句を言っていた相手だったのです。

実はこの 昼川、三年もやり取りしている”消失的狐狸君”でもあり、昼川のほうは早くに 初礼がメル友の”猴子请来的水牢”だと気づき、この事で 初礼に対しての見る目が変わり、初礼が編集者として的確な意見を言っている事、そしてなにより自分の書いた本と作家の自分を大事にしてくれていることに気づきます。

こうして、編集者と担当作家となった二人のお仕事と恋が始まって行きます・・・

 

 

このドラマの私の一番は

 

「月が綺麗ですね」です。

 

編集者と作家のこのお二人が、この「月が綺麗ですね」を使った愛情表現的なやり取りをするシーンがございます。

これは、夏目漱石さんが英語教師をしていた時に、生徒が「i love you」を「我、君を愛す」と直訳したのに対して、「日本人はそんなことは言わない『月が綺麗ですね』ぐらいに訳しなさい」と言ったとか言わなかったとか、という逸話から(実話だと思っていたが、本当だったかはわからないそう・・・)

比喩的表現が好まれる、奥ゆかしい、日本人の心をよく表している、素晴らしい表現として知られている言葉なのです。

私ぐらいの方は知っているが、若い世代は知らないだろうし、夏目漱石の言葉と知っていても、どこかの作品に使われていると思う人もいるだろうと思います。

私世代は国語の先生がまるで自分の言葉のように、この表現の美しさを語ったものですが・・・(そんなことないですか?)。今ならこの美しさに心も動きますが、生徒だった(太古の)時代は、「分かりづらっ、遠い、遠回り過ぎる」とおもったもんです。

そう、日本人ももうすっかり忘れている(そんなことはない?)この美しい表現を使って、二人が愛の表現をするのですが。

最初のやりとりは、昼川のポロっと出ちゃった「今夜は月が綺麗だね」に初礼が過剰反応。「これって、深い意味があるんじゃないの?、もしや私に告白?」と。この時点で昼川先生はかなり初礼に惹かれているのですが、誤魔化します。初礼も「そうね、天気のことよね」と。

二度目は完全に気持ちは通じ合ったがハッキリとお互い言葉には出さなかった場面で、初礼がメールを送ります。「今夜は月が綺麗だね」と。これは初礼は「我爱你」という気持ちを送ったのですが、昼川先生は無視。「句読点でもいいから返事をして」と送ると「。」と送り返してきます。

これの返事に初礼は???。「意味が分らなかった?それとも意味が分って『。』なら終わりってこと?」となり。

愛の告白はやはり婉曲的な表現ではなく直球がいいね、となる微笑ましいやり取り。この可愛らしいやり取りなんですが、そもそも「月が綺麗だね」=「i love you」ということが、このドラマのターゲット層であろう中国の若者世代が知っているのだろうか?(日本の若者も知っているだろうか?)と、なんとも不思議な感覚になりました。(中国では夏目漱石の逸話として有名なのかしら?)

 

ドラマは、お仕事ラインも、スピーディーな展開で、新人編集者が本への情熱と愛で、売り上げのことばっかりなってしまった先輩たちに初心を思い出せるという、純粋さが光ってました。

昼川先生のジャンルが、伝統をふまえた古装ファンタジーといったジャンルのようで、抱きあわせではないが、グッズやコスプレなど売り出し方の戦略の部分など興味深かかったです。

ラブラインは言うことなしに可愛い。初礼ちゃんがあざとカワイく、(中の虞书欣さんのあざとカワイイなのかもですが)、嫌なタイプではなく(これは好き嫌いがあるのかもしれないかな?)出来る子がちゃんと使い分けてるあざとさで。

主役カップルのやりとりは微笑ましい限りです。

サブカップルの昼川の幼馴染 江与诚と 顾白芷の元サヤ大人カップルの恋も良かったです。

お仕事と恋のバランスがよく楽しいドラマでした。

 

 

                      (画像:出典 百度百科)