ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

卿卿(きょうきょう)日常 ~宮廷を彩る幸せレシピ~  卿卿日常  New Life Begins

 

『 卿卿日常  New Life Begins』 ★5

 

白敬亭(バイ・ジンティン)さん、田曦薇(ティエン・シーウェイ)さん、主演の時代ドラマです。全40話。

 

白敬亭(バイ・ジンティン)さん、「キミだけのヒーローになりたい / 你是我的城池营垒」を視聴しました。童顔のお顔のせいかお若い印象なんですが、もう29歳だったんですね~。

田曦薇(ティエン・シーウェイ)さん、「星から来た猫将軍 / 我的宠物少将军」「姻缘大人请留步」を視聴しました。ただいま「初次爱你」を視聴中。ドラマの中でも「可愛いエクボ」というセリフがありましたが、エクボの似合う可愛い女優さんですね、好きです。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

九川大地という所があり、金川、墨川、丹川、黛川、苍川、莹川、胭川、霁川という8つの国を新川という国がまとめています。新川が八つの国の当主国となった時から、その結びつきを強固にするため、八つの国から新川の王子へ花嫁を迎えるという選抜会が行われるようになりました。

新たな選抜会の日、霁川から選抜された秀女 李薇 は一緒に新川にやって来た家族と選抜に落ちるようにするための受け答えの復習をしています。

霁川は放牧や農業の盛んな国で婚姻は一夫一妻制で男女対等の暮らしをしているため、新川のように側室を置き、女性は結婚し家に入り家内を守るのが良しとされる習わしに耐えられないのです。

楽天的で明るく前向きな 李薇は新川にあまりうまみのない霁川出身で役人とはいえ何の力もない家庭出身の自分など嫁に選ばれるはずもないと、両親ほどは心配していないのです。

選抜が始まり、胭川の秀女が友人の 郝葭 だと知り喜ぶ 李薇。郝葭は秀女に選ばれたからには一番時期新川王に近い二少主(次男)に嫁ぎたいと言います。二少主にはもう正妻がいるから自分から側室になるなんてやめた方がいい、と心配する 李薇なのですが 郝葭の意志の固いことを知り手伝うことにします。

郝葭が二少主に近づく手伝いをした後 李薇は大きな邸宅に迷い、お腹も減っていたことから(李薇は食いしん坊)匂いに釣られとある厨房にたどり着きます。そこに用意されていたご馳走を勝手に食べていると、その料理を取りに人がやってきます。慌てた 李薇は食べ残しで何とか皿を取り繕っていくのですが・・・その食事を怪しんだ 六少主 尹峥が厨房に現れるのです。

六少主 尹峥は身体が弱く父 新川王からは目を掛けられず育った皇子で、この選抜を切っ掛けに父に自分の存在をアピールしていこうとしていて、あまり野心のあることを悟られない、でも自分を魅せるためあえて、選抜に落ちそうな 李薇を嫁に選ぶのです。

こうして、まさか自分が皇子に選ばれると思っていなかった 李薇と、自分の存在意義を父へと示すだけのために 李薇を選んだ 尹峥との結婚生活が始まっていきます・・・。

 

 

このドラマの私の一番は

 

可愛い結婚後恋愛の二人と、女性の生き方、です。

 

新川が統一しているとは言え、八国はそれぞれ統治者がいる別の国で、文化もその土地で育まれた独自の文化なんです。だから、秀女たちにもそれぞれの思いと立場がある。

李薇は持ち前の明るい性格で二少主の側室になった 郝葭だけではなく、五少主の正妻になった 丹川の統治者の妹 上官婧や、三少主の正妻  董海棠と側室たちと友達を増やしていきます。

尹峥の嫁に選ばれたのも、尹峥が身体が弱くもうすぐ死ぬので後腐れのない自分が選ばれたと勘違いし、亡くなるその日まで一生懸命尽くして、霁川に戻れる日を楽しみにしているのですが、尹峥の方はそんな 李薇の明るさ前向きさにどんどん惹かれていきます(とにかく可愛いしね)。

死期が近いという誤解が解けた後、自分が出世するまで結婚生活を続けて欲しい、出世した暁には離婚して霁川に帰してくれるという約束をした 二人は協力者としての夫婦として生活し始め、尹峥だけではなく 李薇も、誠実で優しい 尹峥に惹かれるようになっていくんです。でも、霁川は一夫一妻制、李薇のとって愛する人を誰かと共有するという結婚はありえない。

そんな二人がお互いの気持ちを確かめ合って ちゃんとした夫婦として過ごそうと誓った直後に、八国のなかでも力と金のある金川の公主  元英 が 尹峥の正妻として嫁ぐことが決まってしまうのです。

二人の気持ちが結ばれた直後に引き裂かれる・・・この勅命に逆らえない 尹峥の葛藤と苦しさ、李薇の哀しみ・・・。EP12は切なさが溢れて、胸が締め付けられっぱなしでした。

ただ、金川から嫁いできた 元英公主が素晴らしくできた女性でして。これね、元英でなければ大荒れの哀しみの渦状態だったのは間違いないのです。尹峥はとてもいいやつなんですが、全体的に恋は受け身の男なのね。この婚姻後 李薇を説得するのを元英任せという・・・ここはちょっと、残念だったな~、ずるいとも思ったし(ま、ヘタレなとこ可愛いんですがね)。

元英はとても仕事が出来る女性で金川で弟を支え女性官史として働く夢を持っていて、やはり父の命令に逆らえず嫁には来たものの、尹峥の事情(李薇を正妻にしたい)を知り、私が李薇を押しも押されぬ淑女にする(正妻として足りないところを教え込む)、だからあなたは正しい方法で綺麗な形で私と離婚し、金川に戻すこと、という条件で協力していくことにします。李薇もすぐには気持ちが追いつけないのですが、理路整然と自分を説得する 元英の言葉を信じ、学んでいくようになるんです。

この 元英公主と 李薇の師弟関係がとても気持ちいい素晴らしく良い関係で、二人を含めた 尹峥との関係、また屋敷の仲間とのやり取りは、コミカルで温かい気持ちにしかなりませんでした。

李薇は新川に来て、新川の女性の立場の苦しさを知るのです、もちろん家を守り子供を育てるのも素晴らしい、でもあまりに閉じ込められていると感じるのです。

側室として、二少主を操り二少主の家で堅固な立場を築けばそれが幸せと自信満々だった 郝葭も、気づけば二少主の顔色を窺い、自由も奪われ、自分自身のアイデンティティすらも失っていきます。

女性のこうあるべき姿のもう一つ、女性であるなら当たり前のように母になれる(そんなわけはないのですよ、)そこも 尹峥の母と尹峥の関係を通して語られてたり。

可愛い結婚後恋愛の二人が愛を築いていくラブストーリーに加え、全編で語られている女性の立場、女性解放への一歩というテーマの示し方が、堅くなり過ぎず、でも軽くならずに語られていて、世界的な大きなテーマをドラマとして楽しめ、そして感じ取ることができました。

そしてもう一つ、女性の立場だけではなく、男性の立場、生き方にも一石投じる形になっていたと思うのです。それが皇子たちの争いなんですが、新川王は息子を競わせる形で子育てをしているんですね、それが決していい方向に進まなく、争いと憎しみを生んできます。それに、尹峥が逆らう形で苦言を呈す、五少主 尹岐 も罰を受け皇子の立場を追われながらも父に涙ながらに気持ちを吐露する・・・家族なのか?役人なのか?男は、統治者はこうあるべきという形、それの正解とはいったい?と。

 

今年だけでも数本この女性解放、ジェンダー平等というテーマを感じ取れるドラマを見ましたが、見終わった後の気分の良さ、幸福感ではこのドラマが一番でした。

 

 

                      (画像出典 百度百科)