ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

虎鹤妖师录 Tiger and Crane

 

『虎鹤妖师录 Tiger and Crane』 ★3

 

蒋龙(ジャン・ロン)さん、张凌赫(ジャン・リンホー)さん、王玉雯(ワン・ユーウェン)さん、主演の古装少年成長ドラマです。全36話。

 

蒋龙(ジャン・ロン)さん、「扶摇」「S.C.I.谜案集 」「夜空中最闪亮的星」「君九龄 」「风起洛阳」を視聴しました。主演作は初めてです。

张凌赫(ジャン・リンホー)さん、「少女大人」「蒼蘭訣(そうらんけつ)~エターナル・ラブ~ / 苍兰诀」「云之羽」を視聴しました。

王玉雯(ワン・ユーウェン)さん、「三国志 Secret of Three Kingdoms / 三国机密之潜龙在渊」「尚芸館の五つ星 プリンスとのナイショの恋 / 长安少年行」「ロマンスは結婚のあとで / 只是结婚的关系」「2回目のロマンスはままならない! / 你给我的喜欢」を視聴しました。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

500年前 业火冥海が大陸を襲い、大陸に业火の波(触った人間は死んでしまう火の海のような感じか?)が押し寄せてきました。それを妖师たちが赤珠という宝玉を使って封じたのです。ですが、赤珠にひびが入り封印が弱まり大陸に再び危機が訪れる事態になってしまいます。

そこで、急遽新しい赤珠に交換するため、その赤珠を取りに国御妖师队长 祁晓轩 が向かいます。無事赤珠を見つけるのですが、帰りの道中で入云村少年郎 虎子 に盗まれてしまいます。

入云村まで 虎子を追って行った 祁晓轩だったんですが、赤珠を狙い 妖魔が村を襲います。その妖魔を追って来ていた賞金稼ぎの  赵馨彤も加わり激しく応戦することになるのです。

村人たちを人質に取られるような戦いの中、何とか虎子が赤珠を飲み込むことで妖魔を退治するのです。しかし、村に不幸を呼び込んだと 虎子は村を追い出されてしまいます。

虎子の飲み込んだ赤珠を取り出すため、三人は 赵馨彤の故郷にいる幻宝妖师 一眉仙子に会いに行くことになります。

こうして、赤珠を取り出し封印を元に戻すために旅をすることになった三人は、妖魔と戦いながら難題をクリアしどんどん強い絆で結ばれていきます。

迫り来る危機を乗り越えるため、国御妖师を目指すことにする 虎子と 赵馨彤。さらに 病を癒すことのできる不思議なレンガをもつ 王羽千 と知り合い仲間になります。

次々襲い来る試練を乗り越えながら成長していく四人の旅が始まっていきます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

強い友情で結ばれた四人が、仲間を信じ支え合う真摯な姿、です。

 

旅の途中で 虎子に万年九尾虎妖の尾があることが分かります。ただこの尾は移植されたもので 虎子は妖魔ではないことになるのですが、虎子は失っていた子供の頃の記憶を取り戻すうちに、万年九尾虎妖が自分の母親であることを思い出すのです。

そのことをみんなに打ち明けられず、一人で母のことを探っているのですが、国御妖师になれなかった事を切っ掛けに勇気を出して 赵馨彤と王羽千に打ち明けるのです。

自分はもしかしたら本当に妖魔なのかもしれない、と。

この世界の認識として妖は絶対悪なんですね、人とは相容れない存在なんです。良い妖がいるとは考えられない。反対に共感して同情心を持ったりすることはとても危険なんです、その気持ちを利用されてしまうので。

なので、妖魔であることは殺されても仕方がないことで、虎子にとってはこの事実を告白することはとても勇気のいることで。恐々と二人に秘密を打ち明けた 虎子の怯えた姿、でも 赵馨彤と王羽千はその告白を一笑するんです。

一緒に旅をして、一緒に戦って来て、ずっと虎子を見てきた、いつも自分を犠牲にして人を守って来た、それが虎子だと。

まったく躊躇うことなく虎子を受け入れる、二人に心を打たれました。ステキだった。

国御妖师の試験に落ちてしまったのは豹変した 祁晓轩に虎子が刺されたことが切っ掛けだったんですが、この 祁晓轩の裏切りに理由があったと知った 虎子と 祁晓轩の仲直りのシーンもすごく良くて。

虎子と 赵馨彤とのうっすいラブラインもあるのですが、とにかく四人の友情模様が素晴らしかったです。

 

序盤から怪しさを醸し出している 一眉仙子が 反派という役どころなのですが、一眉仙子が人形に魂魄が宿った物だと分かると、最後まで自分の願い、執着にこだわる姿に納得してしまう。人とは同じ所に立っていないんだと。同じ線上にいないからなんだと。

ドラマ、終盤で更に黒幕の登場となり、この黒幕と虎子の母の万年白虎が明かす真実に、それが事実なの?と驚きなのですが、驚くと同時に恐ろしくもあり(物語の登場人物ならば 一眉仙子のように「そんな…信じられない」となるでしょう)。

捻じ曲げられた事実を、全ての人間たちが共有してしまう事の恐ろしさ。それを知らないうちはまったくおかしいと考えもしない、何とも言えない恐ろしさが。

私はこの真実を突きつけられたら、とても簡単には乗り越えられないと思いますが、思い込んでる、知らないうちに思い込まされている事ってたくさんあるなと。それに気づきける事、気づいた事に向き合い、考え、受け入れて、間違えていたら反省して、生きていけるようにならないと・・・虎子たちのように。

ラストにギャフンとだいぶ凹まされてしまいましたが、若者の成長を見守る、青春群像劇でした。

 

 

                    (画像出典 百度百科)