リー・イートン(李一桐)さん主演の古装劇?武林物?というダークファンタジーですかね。
リー・イートンさん一番新しい射鵰英雄伝 の黄蓉を演じていますね。
お人形のように可愛らしい女優さんという印象。若手の女優さんに多いいですがとにかく細い。このドラマの主人公 蘇七雪=晚媚 にはこの華奢な身体は合っていると思いますが・・・細いですね。
ストーリーの序盤は
貧しい暮らしている蘇七雪は食料と引き換えに親に売られてします。売られた遊郭で偶然会った刺客に助けられ、姽婳城(きかくじょう)という刺客の要塞(城?)に連れていかれ刺客として生きて行くならここに入れると、ここで刺客として生きて行こうとします。
姽婳城の刺客は皆女性で、刺客一人に影【チュー・チューシアオ(屈楚蕭)】と呼ばれる補佐が付きます。何も知らない蘇七雪なのでこの影は補佐というより指導者のよう。何もかもを晚媚となった七雪に教え込んでいきます。でも、態度はあくまで影。召使のよう。
わりと初めから刺客として生きるしかないと、助けられた流光さんにも影の長安さんにも言われていたと思うが、人殺しが出来ない晚媚。それを必死にフォローする長安。
そんな二人には強い絆が生まれて・・・
といった感じのお話です。
このドラマ、背景美術がとても素敵なのです。全体のトーンにもとてもこだわりが見えて、遊郭のお部屋なんてうっとりするほど。蜷川実花さんを呼び起こす原色で鮮やかでケバケバしいのに可愛いみたいな。
皇(公)子出てきますけどこの方の屋敷もグリーンを基調にしていて美しいです。
作品全体で、暗くて残虐、背徳的な耽美さを追及していると思うのですが、刺客ミッションに入る時に突然ゲームのようにターゲットが出てくるんです。すごい軽い感じで。所々に入ってくるアニメとセットになって、作品をチグハグにしてしまっている気が・・・すごい違和感がありました。
次に違和感なのが、序盤の主人公 七雪の天然?の呑気さ。
遺体を埋葬する仕事でいもをもらう生活をしていて、あげく父親に売られるという、地を這う様な人生。なのに、純粋さを忘れていない七雪の陽の美しさで、光と影を描いているのだとは思うのですが、私はノーテンキな七雪が気になって仕方がなかった・・・
気になる点を先に上げてしまいましたが・・・
このドラマの私の一番は
物語の中盤の転機です。
晚媚は、やはり人は殺せない自分に刺客は無理だと悟り、長安と姽婳城から逃げ出そうと決めます。そんな中ミッションに行きます。そこで長安に裏切られたという形で別れが訪れます。もちろんどうしようもない状況に長安は陥っていて、裏切りなどないのですが、晚媚は敵に捕まってしまい酷い拷問にあってしまいます。
この凄まじい拷問シーンで苦しむ晚媚さんが美しかった。
底辺にいても明るく(呑気に)がんばっていた晚媚、愛しい長安に裏切られたどん底で拷問を受けながらも、公子を庇う姿にぐっと胸を締め付けられましたね。
この後の長安との再会のシーンも、長安が再会して変わり果てた晚媚を見て苦しむシーンも、胸が痛い。
さらに胸が痛くなるのが、公子【ワン・ドゥオ(汪鐸)】さんですね。兄王に存在を恐れられ息を潜めるように生きています。目が見えていなかったのですが、目が見えるようになったあと、それを王に隠すために乳母の煮込みスープを食べるシーンなど、見ていられない。自分の野心を隠すため、生き残るための姿が痛々しい。
後ですね、オープニングの歌が耳に残ります♬
気づけば口づさんでしまいました。
このドラマ、ラストは恋愛的には何もかもがバッドエンドです。それもかなりキツイ別れで、ハッピーで終わることはないと解っていながらも、悲痛な別れに・・・やっぱりだけど・・・と落ち込みました。
でも時代背景的には、戦国の時代にその争いのせいで貧困ゆえに不幸になってしまう人々(登場人物たち)
平和の時代がくればそこではずっと一緒に居られる・・・
そう願いを込めて(正確ではないかも)晩媚に力を託し消えて行く長安・・・
争いのない国を目指すという大きな夢に向かってブランコを漕ぐ晩媚・・・
と、前向きに終わったと捉えています。
夢を託された、団扇(でいいのでしょうか?)が長安の皮に歌が詠まれたものだったのが怖いけど・・・(そう私は見れましたが、違っていたらスイマセン)