ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

ロング・ナイト 沉默的真相 The Long Nigh ★5

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白宇(バイ・ユ―)さん、廖凡さん、主演の刑事(サスペンス)ドラマです。全12話。

二名だけ紹介させていただきましたが、メインの出演者がたくさんいらして、ポスターに載っている方々は皆さん重要な役割を演じてます。見にくいかとは思いますが、詳しく知りたい方はすいませんがポスターをよく見て下さい(本当にスイマセン💦)。

 

 

このドラマの簡単なあらすじを

(もともとネタバレブログではありますが、再度お願いします。ドラマの本筋に触れてます。バレバレではないように気を付けてはいますが・・・。サスペンスドラマですので、余計な事を一切知りたくない方は回避してください。)

 

 

 

 

 

 

 

元大学教授(法科の教授で弁護士)の 张超 が地下鉄で爆弾騒ぎを起こします。捜査班の班長 任玥婷 の機転で 张超を確保しますが、爆弾が入っていると思っていたスーツケースの中からは男の死体が出てきます。

张超は死体 江阳 を殺したことを認めますが、裁判で一転無罪を主張します。

 法律を知り尽くしている相手だけに厄介だと判断した警察は、捜査能力で一目置かれている  严良 をこの事件の捜査に参加させます。

严良たちはまず、被害者である元検事の江阳のことを調べ始めます。

そして、江阳の同級生の  侯贵平 が溺死した事件に行きつきます。

こうして、2010年に张超が起こした事件に導かれながら、严良たちは2000年に起きた侯贵平の事件に行きつき、その事件を追い続けた、江阳と 朱伟 という刑事の足跡を追っていくことになります。

 

 

このドラマの私の一番は

 

自分の検事としての誇り、信念、正義を貫くために戦い続けた 江阳 の生き様です。

 

「无证之罪」の所でも書いたのですが、同じ原作者の作品の三作目の作品で、事件を追っていく 严良さんは「无证之罪」と同一人物です。

「雪だるま殺人事件」を解決した敏腕(変わり者)捜査官として名が知れています。

なので、時間経過的にも「无证之罪」の後になるのですが、これ、華流ドラマあるあるなのですが、同一人物を違う役者さんが演じる、作品によってはもう別物でよかったんじゃ?と視聴者(私)を困惑させるものもあるのですが、今作品困惑という訳ではないのですが、「无证之罪」の严良さんとは随分イメージが違う印象です。

アウトローなやんちゃな尖った感じがすっかりなくなり、秘密主義なところはありますが、協調性も備わった寡黙な男になってます。

 

お金と権力のある者が法機関(公的機関)を抱き込み、悪行を重ねていく、それに必死に立ち向かう話はわりとドラマにあると思います。でも、主人公は被害者もしくは家族であることが多く、自分自身の復讐のために・・・というドラマが多いかなと。

このドラマの江阳さん、後に仲間になる朱伟さん、ずっと二人を支える 検視官の  陈明章さんたちは自分の仕事として、この悪に立ち向かっていきます。

江阳さん、初めは大学の友人に頼まれて、乗り気でない所を当時の恋人にはっぱをかけられ捜査に乗り出すのです。でも事件を調べていくうちに、その理不尽なことに憤り、のめり込んでいきます。

一歩一歩やっとの思いで巨悪と戦う道具を(証拠)手に入れるのですが、そのたびに潰され叩きのめされ、七年間の間に何もかも失ってしう、それでも、と立ち上がるのです。

検事になり前途洋々と美しい恋人と過ごしている2003年と、2010年の江阳さんの変わりように(このドラマで白宇さんの演技力の評価がうなぎのぼりだったそうですが、頷けます)もう号泣でした。(ラストの壮絶さは圧巻、私は泣きすぎて鼻が詰まり、それでも涙が止まらず、窒息するかと思いました。これからご覧になる皆さま、お気をつけ下さい)

 

ラストの大詰めで严良が朱伟に

「会ったことのない人のためにここまでする価値があるのか?」と尋ねます。

この問いに

「眠れない夜はいつもそれを自分に問い続けた。その価値はあるかと。

 長年の間、江阳と俺は壊され続けた、何度も何度も。でもその度に屈服せずに立ち上がり捜査を続けた。家族を諦め、出世を諦め、暗闇に身を潜めながら機会を待った。

 思いだけを頼りに。この思いが何なのか初めは分からなかった、でも後で俺は理解した、それは信念だ。

 人が罪を犯したとき、どんなに金もちであっても権力者であっても、法の前に平等でなければならない。

 この思い、信念が俺と江阳を支え続けた。

 これに価値があるのか尋ねるのか?俺はお前に聞きたい、严良。

 警察官がしなければ誰が普通の人にするんだ?」

 

この一答が心に刺さり、抉られるようで、涙が止まりませんでした。

江阳、朱伟、 陈明章が抱き合う別れのシーンなど、涙鼻水もろもろが止まりませんでした。

 

ドラマの現代が2010年なのですが、これが何でだろう?と思って観ていたんです。それがラストシーンで、ああ、と納得できます。

江阳の息子が空を仰ぐこのシーンに、希望と光が見えました。

 

とても重いですが、とてもいいドラマでした。

 

 

                     (画像:出典 百度百科)