ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

江照黎明  The Crack of Dawn

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『江照黎明  The Crack of Dawn』 ★4

 

马思纯(マー・スーチュン)さん、白客さん 主演のサスペンスミステリーです。全24話。

 

马思纯(マー・スーチュン)さん、「愛と容疑者に堕ちて / 他来了,请闭眼」「花と将軍 〜Oh My General〜 / 将军在上」「私だけのスーパースター 〜Mr. Fighting〜  / 加油,你是最棒的」「你是我的城池营垒」を視聴しました。色々観ましたが、「花と将軍」の 叶昭将軍が一番好きですね。カッコ良かったな~。私が視聴したものではこの役のみ配音だったんですが(だったと思う・・・)、ここ、私の中では大きいかも。

白客さん、初めてお目にかかりました。

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何のものか分かりませんが(調べろ)、銀魂コスプレしてらっしゃいますね。

 

 

このドラマの簡単なあらすじ なのですが、

このドラマはネタバレなしでは何も書き進めることができないので、サスペンスミステリーをまっさらな状態で視聴されたい方は、この先ご注意してください。

 

簡単な筋としては、平凡な夫婦の夫が遺体で見つかり、その事件を掘り起こしていくというサスペンスです。出てくる登場人物がみな秘密を抱えていて事件を複雑にしていくというお話になっています。

 

 

 

 

 

 

 

李晓楠 は不動産屋でトップセールスを誇る営業マンであり、夜は夜で屋台をやりながら、自分のマンションを持つことを夢見る普通の主婦です。

夫の 苏睿 は皆から羨ましがられるような出来た夫なのですが・・・。

実はギャンブル好きで多額の借金を作っているのです。その借金のことを知らなかった 李晓楠 なのですが、ある日借金取りが 苏睿の所にやってきて苏睿を脅します。でも、李晓楠はその借金を返せるようなお金はないと 苏睿を撥ねつけています。そんな中取り立てが厳しくなったことで 苏睿は 李晓楠を殺しては保険金を手に入れようと画策し始めるのです。

何度か 苏睿の魔の手を交わした 李晓楠ですが、交通事故で亡くなった姉を偲ぶために河川敷で一緒に弔っている時に川に突き落とされてしまいます。

でも翌日、河原で死体で発見されたのは 苏睿のほうで・・・。しかも事故死ではなく後頭部を殴打されたための殺人だと分かります。

警察官 陈幕 はまず妻である 李晓楠に話を聞きに行きますが、李晓楠は河川敷で別れた後の事は知らないとだけ答えるのです。

捜査を進めるうちに、苏睿が愛人とその日ホテルにいたことが分かり、陈幕たちは愛人 于红 に話を聞くことに。でも、ホテルでケンカ別れした後のことはやはり知らないと 于红は言います。

河川敷で 李晓楠と別れ、ホテルに行ったその後の 苏睿の行動が分らず、捜査は難航していきます。

ただ、苏睿という人物が評判通りの好人物ではなく、ギャンブル好きで平気で女を殴る男で、李晓楠にもDVを働いていたことが分かります。苏睿がくず男だということが分かることで、その暴力と浮気に苦しんでいただろう 妻 李晓楠は容疑者として疑われていきます。

そして、借金の取り立てから逃げる 李晓楠は偶然高校の同級生 王诚 と再会します。王诚は 李晓楠が置かれている状況を知り、自分のアパートに隠れるように手を差し伸べてくれます。「高校の時、自分が一番苦しんでいる時、君がこうして手を差し伸べて僕を救ってくれたんだ」という言葉に 王诚に甘えることにする 李晓楠ですが、この 王诚も実は秘密を抱えていて、李晓楠に近づいたのでした。

と、登場する人物が何か怪しいと匂わせる展開でお話が進んで行きます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

またも女性の生き辛さ、です。

 

「花与罪」に続き女性の生きづらい世界に焦点をあてたサスペンス・・・ちょっと見てるのが辛かったですね。サスペンスではないのですが、今「嫣语赋」という時代ものを見ているですが、こちらも時代背景はあれど、女性の生き方をテーマにしているドラマで。

ジェンダー平等の問題が世界の問題と捉えられて、そのことをちゃんと考え見つめようという流れを強く感じますね。

とくに、この三本のドラマで考えてしまうのは 女性解放問題。

「嫣语赋」の女主  秋嫣 が怒りを込めて言い続けている「何故、女だけが?同じことを男の人がすれば良くて、女だとダメなのか?」という行動が、こちらは現実のお話ではないにしても何百年たっても何も変わっていないのです。

 秋嫣の時代だともちろんそんなこと言う女は異分子として排除されちゃうわけですが(もちろんドラマでは違いますよ)、あからさまに排除されることは、現代ではないにしろ、変わってはいないと、「嫣语赋」と「花与罪」このドラマを見ながらつくづく感じてしまいました。

「花与罪」でも書きましたが、女性の性絡みの犯罪、そしてDV、幼児虐待、こういった問題を法が積極的には関われない社会構造ですね、このドラマでも 同じように考えさせられてしまいます。

DVに苦しんだ 李晓楠に 陈幕が「なぜ、警察を頼らなかったか」と聞く場面があるのですが、それに 李晓楠が「私も自分がその立場になってみるまではそう思っていた。なぜ、人を頼らないか?でも、頼れないのだ。植え付けられた暴力への恐怖、夫のコントロール下に置かれてしまうこと、夫の外面の印象で自分の話を信じてもらえない、そして私だけが逃げたとして、あの男が母や祖母に何をするか分からない恐怖」

と答えます。その答えに警察官の陈幕も「たしかに言っても解決しないこと」と捉えるのです。

辛く重い現実だと、本当に沈んでしまいました。

お話は一人一人の秘密が明かされ、苏睿の殺人はもう一つの過去の事件と絡み合った結末へと導かれ、苦しんだ人たちには、それぞれ光が差し込む未来が見えるという結末になっています。

 

主役の马思纯(マー・スーチュン)さんの、平凡なアラサーをリアルに感じさせる体形と、(この役のために体重を増やされたのだと思います。)真っすぐで、すごい目力に、悲壮感が私はあまり感じられなくて(反対に底力みたいなものを感じる)、割とラストのラストまで実は全て計画的に 苏睿を殺したのは 李晓楠という展開になると思ってました(肝の据わったタフな女性にすごく見えるんです。あんなクズ男、ボコボコにしちゃいそうな)。

裏読みし過ぎて、私は最後までモヤモヤしながら鑑賞しましたが、ラストは、光差す夜明けでした。

 

 

                      (画像:出典 百度百科)