ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

君子盟  ​​​A League of Nobleman

 

『君子盟  ​​​A League of Nobleman 』★4

 

井柏然(ジン・ボーラン)さん、宋威龙(ソン・ウェイロン)さん、主演の時代サスペンスです。全29話。

 

井柏然(ジン・ボーラン)さん、「皇后的男人〜紀元(とき)を越えた恋〜 /  相愛穿梭千年」「女心理师」「贺顿的小可乐」を視聴しました。映画「微微一笑很倾城」も見ました。

宋威龙(ソン・ウェイロン)さん、「トキメキ雲上学堂スキャンダル~漂亮書生~ / 漂亮书生」「家族の名において / 以家人之名」を視聴しました。2020年にたくさんのドラマが配信されていましたが、最近はご無沙汰でございましたね。このドラマも長らく寝かされていた作品なので、まだ完全復活とはいかないのかしら・・・?

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

礼部侍郎 兰珏 は自分の密書を政敵に渡さないため取り戻そうとしています。その密書が政敵に渡ってしまうと地位だけではなく命に係わる問題になるので、部下と万全を期してその密書を持っている商人(スパイ)に気づかれず取り戻す作戦を実行します。

その過程で、道で麺を売っている  张屏 という男を利用するのですが、この男が探索が得意で観察力、洞察力に優れた男で、兰珏の作戦をことごとく見抜き、手に入れた密書の入った飾り宝玉を見つけられて、商人に取り戻されてしまいます。

作戦が失敗し、その場から逃げるのですが、张屏は自分が誰かに利用されたことに気づき、執拗に 兰珏を探し始めます。

そして、兰珏の逃げた経路、飲んでいたお茶から、家をつきとめ真実を確かめようと侵入しますが、兰珏に見つかり、証拠のない話と一蹴されてしまうのです。

身分も違う、しかも科挙を受ける学士でもある 张屏に友人の 陈筹 は、これから先に不利になると探索を止めるように忠告します。それでも、科挙に受かり大理寺の役人になることが夢の 张屏は、何より真実を追及することが大事な事という信念をもっているので、追及を止められません。

そして大きな妓楼での 兰珏の誕生祝いに入り込み、真実を突きつけようとするのですが、その妓楼のショーの最中に踊り子が不審死して・・・。

大理寺の探偵小説にあこがれ、純粋に真実の追及だけを求めるピュアすぎる男 张屏と政治の闇をすり抜けながら、父親の無念を晴らすために、政治的地位を求め生きている策略家の 兰珏が事件を通してお互いを知り、同じ目標に向かって手を取り合っていく・・・物語が始まります。

 

 

このドラマの私の一番は

 

张屏 が覗くことになる権力者の力と政治の闇、兰珏 が囚われている父の無念を晴らすという妄念、これに打ち勝つ二人、です。

 

张屏と知り合い 张屏の探求心の強さ、純粋さに心を動かされる 兰珏。张屏のような役人が必要だと思うのですが、あまりに純粋なため、政治の闇を覗かせたくない、やっぱり役人には向いていない、という気持ちもある。でも、张屏の夢を叶えたいと大理寺に口を利いたりする。

张屏も事件を通して、兰珏の抱えているものを知っていくうちに 兰珏を助けたいという気持ちが強くなる。

兰珏は 张屏を自分の絡んだ事件に関わらせたくないのだけど、张屏の腕を結局頼ってしまう。こうして、张屏が 兰珏絡みの事件に深入りすることで、张屏は 民の側に立つ役人が結局は自分を殺し権力者に使われることになり、民は虫けらのように扱われる現実を目のあたりにしてしまう。

兰珏は父の無念、父がやったとされる事件の真相を明らかにするためには何でもするつもりなのですが、父が自分に望んでいたことは復讐ではなく、ただ幸せに生きることだったと知る。その父の心を知っても、父の事件の真実を見つけることを諦めることが出来ず、追って行くのですが、その事件に 张屏の母親が絡んでいたことを知ってしまう。

子供の张屏は関係ないと思えず、自分の中の憎しみに囚われ堕ちていってしまう 兰珏。闇の中でもがき苦しむのですが、最後にはちゃんと自分で戻ってくるんです。この兰珏の妄念、憎しみに囚われ自分を失っていくシーンがゾクゾクして美しかった。

最終的に黒幕に対して、憎しみも苦しみも悲しみもすべて持っているのに、その復讐心より民を助けるために奔走する二人の姿が素晴らしかったです。

この復讐心を煽り続ける男 辜清章 が後半登場(中の方 汪铎さん。「媚者无疆」の公子李嗣源が忘れられない。今回も哀しい、哀しい役でしたね)、二人の心の傷を刺激し続けてくるんですが、それに打ち負けず戦うことを選ぶ二人が良かった。

 

登場人物唯一の女性と言ってもいい、太后、ダメ男を演じなから太后を窺っている、実は素晴らしい皇帝 永宣帝、张屏の育ての親の師父、いつでも絶対の味方の友人 陈筹と脇を固める人たちもカッコよかったです。

私の一押しは師父。すんばらしい好々爺で、落ち込んだ 张屏を励まし、また送り出す時に歌う歌、その歌がそのままエンディングで流れた時には、思わず涙しました。悲しい最後を迎えた時には 张屏といっしょに号泣でした。

 

 

                   (画像出典 百度百科)