ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

不良執念清除師 Oh No! Here Comes Trouble

 

『不良執念清除師 Oh No! Here Comes Trouble』 ★5

 

曾敬骅(ツェン・ジンホア)さん、宋芸桦(ビビアン・ソン)さん、彭千祐(ポン・チエンヨウ)さん、主演のサスペンスホラー(ファンタジーでもあるかな)です。全12話。

 

曾敬骅(ツェン・ジンホア)さん、「追撃者~逆局~ / 逆局」を視聴しました。

宋芸桦(ビビアン・ソン)さん、「穿盔甲的少女」を視聴しました。

彭千祐(ポン・チエンヨウ)さんはお初です。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

高校生の 蒲一永 は学校でも有名な問題児で、テストの成績があまりにも悪く、担任に呼び出されます。そこで先生に、自分の将来についてちゃんと考えるよう、親とも恥ずかしがらないでちゃんと話すように言われます。

その夜父と二人になった時、父は、学校から連絡が来たことを話出します。「お前には本当に夢がないのか?と聞かれるのですが、漫画家になりたいという夢を 蒲一永はうまく口に出せませんでした。

翌日、祖父の仕事の付き添いに出かけた 蒲一永は、父と祖父とともに大きな事故に巻き込まれてしまうのです。

その事故で意識不明の重体になってしまうのですが、奇跡的に717日後に目を覚ます、蒲一永です。

起きた 蒲一永は、母からあの事故で父は亡くなり、祖父はまだ意識が戻らないことを知らされます。二年近くも月日が経っていたうえに、父を失った喪失感に気持ちが付いていけない 蒲一永ですが、母と二人新しい生活に踏み出します。

ある日、書道家だった祖父を懐かしみ、祖父の硯で墨を磨ると何かが引き寄せられてくるのです。蒲一永には、祖父から受け継いだ書をしたためることで発現する不思議な力があり、その力が祖父の墨を磨ることで開放されたのでした。

そしてその力に引き寄せられて、バイク事故で鉄橋から落ちて死んだはずの死体が動き出すことに・・・。

その後死体のない事故を訝しんでいた警官  陈楮英 と知り合い、隣に引っ越してきた、高校時代に訳もなく嫌っていた優等生 曹光砚 も巻き込んだ 蒲一永の除霊が始まっていきます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

どのエピソードにもとっても心打たれっぱなしだったのですが、二つ目の除霊の話が好き。

 

一件目は、子供の頃、おじいちゃんに纏わりついているこの世ならざる者を見たことがあっても、まったくどうすればいいか分からなかった 蒲一永ですが、ちょっとだけ慣れてきます。

彼らの望むことを知り、書をしたためる。

なので、二件目もまず、彼らの望むことを知ることなんですが、話がなかなか簡単には通じないわけです。

この二つ目のエピソードでは、たまたま隣に引っ越してきた、曹光砚が医大生になっていて、そして、曹光砚の通っている大学には不思議な解剖用の遺体があったのです。

その遺体は身元不明のため7年前に医大に寄付(?)されたものなのですが、解剖しても傷が勝手に治ってしまうという不思議な遺体で。その彼の背中には大きな桜の木の下に佇む美女の彫り物があるのです。

この彫り物の美女が今回の依頼者で、7年繋ぎとめていた彼の肉体が朽ちようとしてきたので、彼の名前が知りたいというのです。

身元不明の遺体なので、警官 陈楮英も引きずり込み、三人はこの無名の遺体の身元を探し始めます。

入れ墨を手掛かりに身元を突き止めようとするのですが、簡単にはいかなくて(もともと七年前に警察が調べているのに分からなかったわけですから)。彼を知っている人物には出会うのですが、みんな彼のことが好きだったんですが、名前を知らない。

少しづつわかってくる、この彼の歩いてきた人生がとてもとても哀しくて・・・。

幸せな三人家族だったのですが、父、母が相次いで死んでしまう。その後、独り取り残され孤独感に囚われてしまう。両親の欲しがっていたものを買い続け、家の中は物であふれ、独りになるのが嫌でホームレスの人たちの側で過ごし、会社でも誰かが残業していれば、その人を一人にするのが嫌で残っていたりと・・・。

独りになりたくないから、背中に彫り物をいれて、その彼の執念に似た思いが背中の彫り物に意志を与えた。

もう、すごく悲しいんです、この人 林永川 の人生が。

でも、彫り物美女さんはこの世のものではないので、どこか飄々としているのです。捜索隊の三人もどこか抜けてるので、その重さに引きずられないんで済むんですね。

林永川の思いが悲しく涙しても(他のエピソードも)、三人が必死で走り回る姿はちょっとどこか軽い。このバランスにすごく救われるんです。

その救いを形にすると 蒲一永くんなんです。

バカで喧嘩っぱやいんですが(すぐ手がでるのは、陈楮英も)とても純粋でまっすぐ。

別の依頼の時に、曹光砚が陈楮英に言うんですが「僕は医者になりたかったから医学部に入った。でも命を救いたかったんじゃなくて、ただ医者になりたかった。蒲一永は僕より、あなたより、ずっと医者であり警察官だと思いませんか?」と。

何も考えず、条件反射のように人を助けられる人、手を伸ばせる人、蒲一永くんがそういう人なんです。

なので、蒲一永君の真っすぐさが、まっすぐ胸に刺さるんです。

残された執念(蒲一永が視えるのは霊ではなくて、思いの形だと分かってきます)たちが解放されるように、どのエピソードも観終わった後にじんわりとくるドラマでした。

 

 

                     (画像出典 百度百科)