ドラマ大好き

主にアジア(華流)ドラマの感想と、簡単なあらすじを書いています。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

古相思曲 ~君想う、千年の調べ~ 古相思曲  An Ancient Love Song

 

『古相思曲  An Ancient Love Song』 ★4

 

张雅钦(チャン・ヤーチン)さん、郭迦南(グオ・ジアナン)さん、主演のタイムトラベル古装劇になります。全14話。

 

张雅钦(チャン・ヤーチン)さん、「紅蓮伝~失われた秘宝と永遠の愛~ / 少年游之一寸相思」「好想和你在一起」「千古の愛、天上の詩 / 千古玦尘」を視聴しました。ちょっと観ない内に大人になられた…綺麗。20代(张雅钦さんが20代だから)の菅野美穂さんに似てるとずっと思っていたんですが、今回はあまり思わなかった~。

郭迦南(グオ・ジアナン)さん、「沉默不语的顾小姐」「悄悄地喜欢你」「山河令」「给你我的独家宠爱」「宮廷衛士の花嫁 / 嘉南传」「关于唐医生的一切」「少年歌行」「心跳」を視聴しました。主演されているのは「悄悄~」「给你我的~」のショートドラマ二本かな。

 

 

このドラマの簡単なあらすじは

 

歴史小説家の 沈不言 は新作の発表の場でお守りを売っている老婦人から、割れた玉牌を譲り受けます。

その夜、疲れていた 沈不言はその玉牌の上に鼻血をたらしてしまうのです。

すると、家の中にいたはずなのに見覚えのない場所に移動してしまいます。

理屈は解らないままに、そこが古代の中国で、しかも丁度自分が研究し本にした時代だとわかるのです。

でも宮殿に急に現れた 沈不言なので、もちろん兵士に見つかり追われてしまいます。隠れるために入った部屋がちょうど書斎で、歴史資料がたくさんあったので 沈不言は思わずその本に手を伸ばします。

その部屋へ一人の女性が入ってきます。驚く 沈不言へその女性は「驚かないで下さい。私は 倚华です。私の主人が待っています」と 沈不言を別の場所へ連れて行くのです。

連れていかれた先には美しい女性が ハープのような楽器 箜篌を演奏しています。その女性は「来たのですね。長い間あなたを待っていました」」と話しかけます。

その女性が自分が小説の題材にしていた、悪名高い皇后 陆鸢 だと見抜く 沈不言。命の危機を感じながらも、陆鸢の出す、三つの事をしてくれたら、三つの願いを叶えよう、という提案に乗るのです。一つ目の提案で洋服から漢服に着替える 沈不言。その姿を切な気に見つめる 陆鸢から二つ目の提案をされます。それは、一緒に夕食を食べて欲しいというものでした。

沈不言はそんな簡単な願いばかりだけど、私の質問にはしっかり答えてもらうから、と一緒に食事をします。

食卓にはたくさんの料理が並んでいて「豪華だ」と驚く 沈不言に、「春三月上巳日を祝う家庭料理よ」と自ら毒見をしてみる 陆鸢。

沈不言はその 陆鸢の姿を見てすっかり 悪名高い妖后という事を忘れてしまいます。二人は食事をした後、陆鸢の三つ目の願いで誰もいない町へ出かけます。

誰もいない町を歩きながら 陆鸢は「生まれ変わったら、平凡な毎日を楽しみ些細な喜びを感じながら生きたい、皇后ではなく」と独り言のようにつぶやくのです。

その悲しみに満ちた言葉に 沈不言は思わず「なぜ?」と聞き返します。陆鸢は「それは質問?よく考えて」と。沈不言は一旦考えて「なぜ?」とハッキリ尋ねます。でも、陆鸢は答えをはぐらかすのです。その後の質問もはぐらかされた 沈不言は怒ってその場で 陆鸢と別れます。

沈不言は続編を書くにあたり 陆鸢のこともよく知りたかったのですが、それが失敗に終わりせめて本物の古代の街並みを堪能し、少しでも歴史を感じ吸い取ろうと思い町を歩いていると 丞相 李拥の反逆を目撃してしまいます。歴史では 李拥を邪魔に思った 陆鸢が殺したことになっていたのですが、事実は違っていた。

激しくなる争いに 陆鸢を助けようと飛び出した 沈不言を庇い 陆鸢が矢に撃たれてしまいます。倒れた 陆鸢を抱き留め途方に暮れていると、沈不言は現代に戻っているのです。

現代に戻った 沈不言はもう一度古代に行き、陆鸢に会い彼女の困難を無くしたいと玉牌をいじるのですが・・・こうして何度かのタイムトラベルを繰り返しながら、陆鸢を助け歴史を変えたいと思う 沈不言。でも、歴史は簡単に変わることはなく・・・と時空を超えた二人の恋物語が始まっていきます。

 

 

このドラマの私の一番は

 

逆行する二人の時間軸がとても奥深いタイムトラベルになっていた、です。

 

沈不言は全部で4回タイムトラベルするのですが、1回目からどんどん古い時代へ旅することになります。初めて 陆鸢に会い反乱を目撃した1回目。次に古代へ行ってみるとそこはその反乱より更に10年前だったのです。

つまり、まだ反乱は影も形もなく、陆鸢は 李拥を信じ切っている。そんな何がこれから起こるのかも、自分の事も知らない 陆鸢にどう未来の危機を知らせようか戸惑う 沈不言の苦難となります。

でも、実は 陆鸢は 沈不言の事を知っていて(未来から来たことも)覚えているのに知らないふりをしているのです。

沈不言のタイムトラベルは全部で4回。沈不言の2回目は実は 陆鸢にとって3回目の出会いだったんです。

この逆行がとても、とても上手に描かれてました。

初めて会った 沈不言と4度目の再会となった 陆鸢。過去の蓄積からこれから何が起こるか知り尽くしている 陆鸢が取る、別れの儀式のような一度目。

結局運命は歴史は変えられなかった、二人が普通に幸せになれる未来などないことを悟り、国のために自分のできることをしてきた 陆鸢の最後の願い。この一瞬一瞬をずっと待っていた 陆鸢の行動。

そして、沈不言の4度目のタイムトラベルは 陆鸢にとっては出会いとなります。沈不言にとっては、初めて会った時より18年前のまだ18歳の 陆鸢との出会い。やっぱり歴史、未来は変えられないと悟った沈不言はもう夢中で 陆鸢を救いたいという感情は置いて、まだ何ものでもない少女の 陆鸢に国の成り立ち、法、これからの 陆鸢に絶対に必要になる知識を教えていくのです。 

この対比が、二人が自分たちの感情を殺していきついた結論の対比が、素晴らしかった。壮大な歴史ロマンを堪能した気分でございました。

お互いに愛し合いながらも、未来が変えられないならと大義を優先させる道を選ぶ二人、それでも二人でいる今この時を大事にして。

すごく大きな形でのロマン、素敵でした。

現代に戻った 沈不言は少しでも歴史的事実を掴んで、陆鸢の汚名をそそごうと奮闘します。その年を取った 沈不言が最後に会う 陆鸢が子供だったラストにもロマンを感じた。夢で叶わなかった愛の成就とかではなくて、子供の 陆鸢に会う。このドラマに相応しいラストだったなと。

付け足しとしましては、陆鸢の弟 陆时がカッコ良かった~。顔ちいさっ。美しすぎて戦場で舐められるから、仮面をつけた将軍。素晴らしかったわ~若さ溢れるその姿。

 

もっと長い尺でしっかり見たかったという思いもあれど、この長さだからの感動もありかも。とにかく良いドラマでした。

 

 

                    (画像出典 百度百科)