『装腔启示录 Fake It Till You Make It』 ★4
蔡文静(ツァイ・ウェンチン)さん、韩东君(エルビス・ハン)さん、主演の都会派ラブロマンスです。全14話(一話60分程度と少し長めでした)。
蔡文静(ツァイ・ウェンチン)さん、「不期而至」を視聴しました。
韩东君(エルビス・ハン)さん、「 陰陽法師-無心- / 无心法师」「三国志 Secret of Three Kingdoms / 三国机密之潜龙在渊」を視聴しました。お久ぶりでしたね。韩东君さん、1992年生まれという事なんですが、もうちょっと大人に見えます。蔡文静さんの方が年上だと思わなかった。このドラマの役柄もあるかもしれませんが、醸し出す色気がダンディなんですよね。
このドラマの簡単なあらすじは
唐影 は法律事務所で働く弁護士で、いつも上司の 大王 にこき使われています。日々ストレスを抱えながらも、足を止めたら何とか築いてきた今の生活が崩れてしまうと、虚勢を張って生きています。
そんな 唐影が出張に向かうフライトで寒がっていると、たまたま隣に座った男 许子诠がそれに気づき毛布を渡してくれるのです。
自分のささいなリアクションに気づき毛布を頼んでくれた 许子诠にトキメクものの、CAとの親し気な会話などを耳にしていた 唐影は 许子诠のことを女性の扱いに慣れたまめな軽い男と、シャットアウトするのです。
许子诠はその後偶然酔った 唐影に再会します。フライトで一緒になったキャリア女性としての鎧を纏った 唐影とは別人のその姿が心に残るのです。
仕事に追われ、くたびれる日々の中、何度か再会し仕事でも出会う二人は自然と親しくなっていくのです。
ある日 一緒に呑んだ後、酔った 许子诠は 唐影に友情の印と高価な指輪をプレゼントします。许子诠が酔っていたためその指輪を受け取ってしまう 唐影ですが、许子诠に魅かれている自分がいることに気づくのです・・・
競争の激しい業界に身を置き、都会で必死に生きている男女の物語が始まっていきます・・・
このドラマの私の一番は
都会でキャリアを築きながら、一見成功しているかのように見える女性たちの本当の姿、です。
主役カップルのラブラインと平行して描かれていた、唐影を囲む都会で働いているキャリア女性たちの生き方にスポットが当てられているんです。
残業、休日出勤当たり前、出来る女として生きていくため、みんな殻をかぶり無理をしている。そうしないとここではやっていけないと必死で外観を保っている。
唐影をいい様にこき使っているように見える上司 大王の苦しみ。顧問契約を結んでいる企業の女性キャリア、嫌がらせばかりする 刘美玲も華やかの姿の裏に苦しみを抱えている。
この悩みが、結婚とか子供とかの女性限定のものというより、キャリアを掴もうと必死で仕事をしている人すべてに当てはまる内容だったんですよね。
仕事で一度でも失敗したら終わってしまうと必死なんだけど、そんなことはない、それに気づいてもう一度人生を仕切り直していく姿が、大げさ過ぎずに語られているのが良かったです。
主役カップルのラブラインも大人の洗練されたやり取りが楽しめました。
初恋の失敗から、恋に逆上せ自分を見失う怖さを心に刻まれた 唐影は恋愛に幻想を抱かず男を常に冷めた目で見てしまいます。
许子诠の方も投資家としてキャリアを積むことと恋愛の両立が難しいと悟ってからは、恋愛よりも仕事をとり、女性とは気軽い付き合いを楽しむ事にしています。
そんな二人はお互いに惹かれ合いながらも、どちらも本心を躱しながら友情という曖昧な関係を続けていて・・・。
この二人のやりとりがシティ派なんですよ(←都会派よりましかと思ってあえて書いてみましたが、どちらにしろ古を感じさせる言い回しに)。本心を隠し、切り貼りした上辺だけを見せつけ合うやり取り。本気になった方が負け、自分をさらすのは恥ずかしい事、と過去の自分の失敗を繰り返さないよう精一杯虚勢を張っているんですよね。
でも、付き合っていくうち、唐影は本音が漏れだしてしまう。そんな唐影の言葉に 许子诠も自分の本音を見つめていく。友情という都合のいい言い訳を止めて、一歩踏み出してからの二人のラブラブっぷりが良かったです。
第一線で働く男女の恋愛は絶対に簡単ではないと思うわけですが、共働きでなくても誰かと共に生きると言うことは難しいわけで、二人が選んだようにお互いを信頼して、気遣って、時には我慢も必要で、喧嘩してもちゃんと話し合って仲直りして、一緒にいることの幸せを感じる、これがやっぱりとても大切だなと、しみじみ感じました。
何でも持っていてスマートに生きているようで決してそうではない、そんな30代の男女の生き方をスマートに見せてくれたドラマだな、と思いました。
(画像出典 百度百科)